【これからの見通し】ドル買い継続、円売りやユーロ売りを背景に 政治相場の面強く
【これからの見通し】ドル買い継続、円売りやユーロ売りを背景に 政治相場の面強く
高市ショックをきっかけに、ドル円が連騰している。クロス円も大台を塗り替えながらの上昇。日銀利上げが遠のいたとの見方が広がり、株式高騰とともに為替市場では円キャリー取引復活の様相を呈している。
ユーロドルも売り圧力が継続している。フランスの政局が再び混迷しており、仏債券売りの動きがみられている。また、ポンドドルにとっては、11月の英予算発表を控えて財政規律に関する不透明感がぬぐえない。相対的にドルが買われやすくなっているようだ。
また、米国では米政府機関閉鎖の問題が続いている。米雇用統計などの主要経済指標の発表予定のメドはたっていない。不透明感が続く中で米FOMCも極端な政策は打ち出せない状況となっている。いわば、時が止まった状態になっているといえよう。
通貨以外では金相場の高騰も目立つ動きになっている。金は安全資産買いの面が強いほか、各国中銀のドル離れの象徴でもある。ドル建て金相場は歴史的な高値を記録し続けており、ドル以上に人気の高さが際立っている。
上記の流れに変化がみられる兆候はなかなか見つからない。政府・日銀の円安けん制や実弾介入などの動きが見られなければ、しばらくは慣性の法則が続きそうだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、米MBA住宅ローン申請指数(09/27 - 10/03)のみとなっている。一方、発言イベント関連の予定は豊富だ。金融当局者の予定は、エスクリバ・スペイン中銀総裁、ミュラー・エストニア中銀総裁、エルダーソンECB理事、ムサレム・セントルイス連銀総裁、バーFRB理事、ピル英中銀チーフエコノミスト、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁などの講演やイベント参加予定が組まれている。また、米国では米10年債入札(390億ドル)実施、米FOMC議事録(9月16日-17日開催分)公表も予定されている。 中国は本日まで大型連休が続いている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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