【これからの見通し】円安の継続性を見極め、米金融当局者の発言にも注目
【これからの見通し】円安の継続性を見極め、米金融当局者の発言にも注目
東京市場では、ドル円やクロス円が前日高値を上回る動きをみせた。ただ、値幅は限定的となっている。ドル円は151円の節目を控えて上昇一服となっている。いわゆる高市トレードの強烈な円売りの動きで今週は始まったが、高市氏が具体的にどのような政策を示してくるのかを待つ段階に入ってきているようだ。過去の例からはドル円の151円から153円の水準では実弾介入が実施された経緯があり、市場には介入警戒感もあるようだ。ただ、現状では調整の動きも限られている。
この後の海外市場では、引き続き米経済指標の手掛かりに欠ける状況となる。きょう発表予定の米雇用統計発表は延期される見込み。カナダ国際商品貿易(8月)と同Ivey購買部協会指数(9月)の発表などが予定されているが、相場全体への影響は望めないだろう。
発言イベント関連では一連の米金融当局者の予定が注目される。ボスティック・アトランタ連銀総裁、ボウマンFRB副議長、ミランFRB理事、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁などの講演やイベントに参加する。雇用とインフレの2大使命のバランスをどのようにとるのか。最新の米雇用統計発表が延期されるなかでの発言内容が注目される。タカ派色が優勢となれば、ドル円相場にとっての支援材料となろう。
ドル円相場は、151.00の心理的水準が注目されそうだ。これらの水準を上回る動きとなれば、ショートカバーなどを巻き込んで一段と円売りに弾みがつく可能性がある。一方で、政府・日銀からの円安けん制発言などがみられるようだと、市場に一層のボラティリティーを供給し、荒っぽい相場展開となりやすい点に留意したい。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。