米経済指標にドル安の反応 CPIではなく米新規失業保険申請件数=NY為替序盤
きょうのNY為替市場、先ほど発表の米経済指標を受けてドル安が強まっている。ドル円は148円付近から147.35円付近まで一気に下落する場面も見られた。
注目されていた8月の米消費者物価指数(CPI)は、総合指数で前月比0.4%上昇と予想を上回った。前日の生産者物価指数(PPI)とは違い、FRBの利下げ期待を後退させる内容ではあるものの、逆に市場は利下げ期待を強めている。
同時に発表になった米新規失業保険申請件数が予想以上に大幅に増加し、先週からの雇用への不安を正当化する内容となった。市場はむしろ、そちらに敏感に反応している模様。短期金融市場では年内3回の利下げ確率を完全に織り込む動きが見られている。
円相場は10月4日の自民党の総裁選の行方も注視している。本日も東京時間に円安がドル円を押し上げていた。総裁選で高市氏が出馬の意向を固めたと報じられたことがきっかけ。円と日本国債の方向性は総裁選の結果次第との声まで出ている。日銀による利上げが遅れるのではとの観測も広がっているようだ。
新総裁によっては拡張的な財政政策が予想され、それは日本国債にとってはマイナスとなり、円安シナリオと見られているが、日本株にとっては成長を促す環境となるとの期待も出ている。
また一部からは、ドル・ユーロ・円の間で、ここ数日以内に「何かが起こるような気配がある」との声が出ている。ヘッジファンドやストラテジストの間では、円こそが上方向にブレイクアウトする最有力候補と見られているという。ただ来週のFOMCで、委員の年内の金融政策姿勢を確認するまでは動きにくい状況が続く可能性も指摘していた。
なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は147.50円に観測。
11日(木)
147.50(9.8億ドル)
12日(金)
147.40(14.6億ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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