方向感定まらない展開、米中貿易協議の行方待ち、ポンドは弱い雇用指標で軟調=ロンドン為替概況
方向感定まらない展開、米中貿易協議の行方待ち、ポンドは弱い雇用指標で軟調=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、全般に方向感が定まらない展開。2日目の米中貿易協議が始まっており、その行方がどうなるのか待ちの状況となっている。ドル円は144円台前半まで下押しされ、東京午前の上げを消している。ユーロドルは1.13台後半から1.14台前半に上昇、東京市場からの下げを帳消しにしている。ユーロ円も164円台後半から165円前半へと買い戻されて、東京市場からは下に往って来いに。そのなかではポンドの軟調さが目立っている。日本時間午後3時発表の一連の英雇用指標が弱含んだことで、年後半の英中銀2回利下げ観測が高まったことが背景。ポンドドルは1.35台前半から1.34台半ばへ、ポンド円は196円付近から195円台割れまで下落し、いずれもその後の戻りは限定的。ユーロ買い・ポンド売りの動きが鮮明になっている。ユーロ圏投資家信頼感は年初来初のプラス圏回復とセンチメントが改善していた。米中貿易協議をめぐっては中国のレアアース輸出と米AI半導体輸出について双方が歩み寄れるとかどうかが焦点となっている。
ドル円は144円台半ばでの取引。東京朝方の144.40近辺を安値に、午前中には145.29近辺まで買われた。植田日銀総裁発言が追加利上げにはまだ距離があるとの観測を広げていた。しかし、米中協議への思惑などで中国株が下落に転じると午後には144円台前半へと押し戻された。ロンドン時間には144円台で方向感に欠ける振幅となっており、米中協議関連の報道待ちとなっている。
ユーロドルは1.14台前半での取引。東京午前の1.1436近辺を高値に、ロンドン朝方の1.1373近辺を安値に上下動。ロンドン時間には1.14台前半へと買い戻されている。対ポンドでのユーロ買いが入った。ユーロ円は東京午前の165.45近辺を高値に、ロンドン朝方には164.63近辺まで下押しされた。その後は買戻しに転じ165円台を回復している。先週のECB理事会で当面の利下げ打ち止め感が広がったことや、きょうのユーロ圏投資家信頼感の回復などが下支えとなっている。
ポンドドルは1.35付近での取引。東京午前の1.3564近辺を高値に、その後は上値を抑えられている。ロンドン早朝に発表された一連の英雇用関連指標が弱含んだことを受けてポンド売りが強まり、1.3456近辺まで安値を広げた。市場では英中銀の年後半2回の利下げ観測が高まっている。ポンド円は東京午前の196.45近辺を高値に売られている。ロンドン朝方には一時194.78近辺まで安値を広げた。その後の戻りは195円台前半までと限定的。ユーロポンドは0.8418から0.8466までのレンジでユーロ買い・ポンド売りが進行している。5月英雇用統計では失業保険申請件数が増加に転じた。また、有給雇用者数が大きく減少した。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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