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為替相場まとめ5月26日から5月30日の週

為替 

 26日からの週は、トランプ関税関連の報道に市場が振り回された。週明けはトランプ米大統領が対EU50%関税発動を7月9日まで延期したことでリスク選好の動きにドル円が上昇。29日には米国際貿易裁判所がトランプ相互関税などの差し止めを命じたことが、貿易戦争終結への期待感を広げ、ドル円は一段高に。しかし、トランプ政権側は連邦高裁に上訴し、関税差し止め措置が一定期間停止された。また、NEC委員長は代替的な措置があることを示した。関税撤回への期待感が失望に変化し、ドル円は反落している。米減税法案をめぐって、米財政赤字の悪化が懸念される面も加わった。ドル円は142円台から146円台に上昇したあと、143円台まで押し下げられている。先週に話題となった日米などの長期債利回り動向については落ち着いてきている。ドル指数の一段の低下は一服しているが、反発の動きも中途半端だった。通商問題に関して、中国やEUとの交渉状況についてまだ楽観視はできない状況。そのなかで、インドとの貿易交渉がまとまる可能性が指摘されている。4回目となる赤沢再生相の訪米ではそろそろ合意に向けた兆しが示されるのかどうか。日米首脳会談にこぎつけられるのかどうか。週末から来週にかけて、まだ多くの話題がでてきそうだ。

(26日)
 東京市場は、円売りとドル売りが交錯してドル円が上下動。ドル円は、朝方にトランプ米大統領がEUに対する50%の関税発動の延期に合意したことからドル高・円安となり、一時143円台に乗せる場面があった。その後は米関税交渉の不透明感などからドルが売られ、4月29日以来およそ1ヶ月ぶりの安値水準となる142.23付近まで下落した。午後には142円台後半まで戻した。ユーロ円は円売り優勢。ドル円同様に朝方に円安となり、162.60台まで上昇した。午後には日経平均の上昇などからさらに円売りが強まり、163円に迫る場面があった。ユーロドルはドル安基調を受けて午前に一時1.1419付近まで上昇したあと、この日の高値圏で小動きとなった。
     
 ロンドン市場では、円売り・ドル売りが一巡している。週明け東京早朝には円売りが強まった。米国が対EU50%関税発動期限を6月1日から7月9日に延長したことに反応した。その後次第にドル売りの動きも強まった経緯がある。ドル円は143円台乗せまで買われたあと、142.20台まで下押しされた。しかし、東京午後には買戻しの流れに転じており、ロンドン序盤には143円近くまで反発している。その後は142円台後半に高止まり。欧州株や米株先物・時間外取引が堅調に推移しており、貿易摩擦が緩和されることが期待されている。ユーロ円は東京早朝の161.80付近を安値に買われ、ロンドン序盤には163円手前水準まで上伸した。その後は162円台後半で上昇一服。ユーロドルは東京時間に1.1360付近から1.1420付近へと上昇したあと、ロンドン時間には1.1380付近へと押し戻されている。ドル指数は東京午前に先週末から一段とドル安が進行したあとは、下げ渋りとなっている。ロンドン市場と米国市場が休場となるなかで、一段のドル安の動きは一服。株式市場はひと安心しているものの、為替市場の値動きは神経質に振れており、トランプ関税関連の動きに振り回された感が強い。7月9日に向けて引き続き不安定な相場が続きそうだ。

  NY市場はメモリアルデーの祝日で休場。

(27日)
 東京市場は、債券利回り動向をにらんで円が売られた。ドル円は午前中に142.80台から142.10付近まで下落した。米財政赤字警戒が背景。しかし、その後日本超長期国債利回りの急落を受けて円売りとなった。通信社ロイターや日経新聞が財務省が25年度国債発行計画の年限構成を近く再検討、来月20日の金融機関とのミーティングなどにより判断との報道を出し、市場ではここにきて需要の減退が目立つ超長期債券発行額の減額観測が広がった。超長期債利回りが急低下、ドル円は143円台乗せから143.44近辺まで買われた。ユーロ円も162.09近辺まで下落後、163円台乗せと約1円幅で買われた。ユーロドルは1.14台に乗せたあと、1.1367近辺まで下落。ドル円上昇がドル高圧力に波及した。米債利回りも日本国債に連れて利回り低下(債券価格上昇)となっており、米国のトリプル安警戒が後退している。

 ロンドン市場では、円安が継続している。今日の東京市場では超長期債が買われ、利回りが低下した。最近の入札では機関投資家などの需要減退が需給バランスを崩しており、利回りが急上昇する不安定な地合いとなっている。そのなかで「25年度国債発行計画の年限構成再検討」との報道が超長期債の減額への期待感につながった。20-40年債などが買われ、利回りは低下、為替市場での円売り圧力につながっている。ロンドン市場もその流れが継続しており、ドル円は144円台を回復。クロス円も軒並み円安に振れている。ユーロ円は163円台半ば、ポンド円は195円台乗せなどへと上昇している。また、ドル円の上昇とともにドル買い圧力も広がっており、ユーロドルは1.13台前半、ポンドドルは1.35台前半へと下押しされている。米債など主要国債券も買われて、利回りが低下。欧州株や米株先物・時間外取引は堅調に推移。総じてリスク警戒感は後退している。

 NY市場では、リスク回避の雰囲気が後退し、ドル円は買い戻しが優勢となった。連休中にトランプ大統領の関税政策が再び急変。大統領はEUに対する関税を6月1日から50%に引き上げる方針を示していたが、それを7月9日に延期すると発表。市場は、トランプ大統領の朝令暮改に慣れてきた面もあるが、素直にポジティブな反応を見せていた。この日発表の5月調査分の米消費者信頼感指数が予想外の大幅な改善となったこともドル円を押し上げた。一時144.45円付近まで上昇。ただ、ドル離れへの懸念は根強いことに変化はなく、145円に接近すると売りオーダーも多数観測されている。ユーロドルは1.13台前半に下落。ただ、主要中銀の中でECBだけが利下げ観測を強めている中、上値が重くなっている雰囲気に変化はない。ポンドドルは戻り売りに押され1.35ちょうど付近まで下落。やや過熱感も見られていた中で本日は利益確定売りが出ていたようだ。エコノミストは、英中銀が利下げに慎重なアプローチを取っていることを考えるとポンドの最近の上昇は正当化されると述べている。

(28日)
 東京市場は、上下にやや荒っぽい動き。朝方は円買い。ドル円は144.30付近から143.85近辺まで下落した。植田日銀総裁が直近上昇が目立つ超長期の日本国債利回りについて、注意してみていきたいと発言したことに反応。しかし、その後米ニューヨーク連銀のウイリアムズ総裁が、インフレが中銀目標から乖離し始めた場合「比較的強力」に対応する必要があると発言。ドル円は144円台後半へ急伸した。午後には144.77近辺に高値を更新。注目された40年債入札はやや不調に終わり144円台前半に下押しされる場面があった。ユーロ円は163円台で乱高下。ユーロドルは1.1345近辺まで買われた後、1.13台割れへと反落。

 ロンドン市場では、ドル買いは一服し揉み合いに落ち着いている。ドル円は東京午前に143円台に下押しされたあと144円台後半へと上昇した。しかし、その後は上値を抑えられて売買が交錯。ロンドン時間には調整に押されて144円付近まで一時反落した。米10年債利回りは東京市場で上昇したあとは高止まりしている。欧州株では独DAX指数が最高値を更新したが、その後は小反落。米株先物・時間外取引は調整売りが先行も、足元では再びプラス圏で推移している。ロンドン時間には特段のかく乱材料はみられず、全般に落ち着いた取引となっている。ただ、東京市場では当局者発言や債券動向に円相場が敏感に反応する場面があり、市場にはまだ神経質さや流動性不足の面もあるようだ。

 NY市場では、ドル円が一時145円台に上昇。トランプ大統領がEUに対する関税の引き上げを7月9日に延期すると発表したことをきっかけに、市場は先週の不安定な状況から落ち着きを取り戻している。それに伴ってドル円も買い戻しが優勢となっている状況。トレーダーからは、一部のヘッジファンドがドル円にショートカバーを出しているとの声も出ている。急上昇していた日本国債の利回りも安定し、それに伴って米国債も安定していることから、ショートポジションを解消したようだという。ただ、ドル離れへの懸念も根強くある中、145円台に入ると売り圧力も強まるようだ。ユーロドルは戻り売りが優勢となっており、1.12台に下落している。ポンドドルも戻り売りに押されており、一時1.34台半ばに下落する場面が見られた。

(29日)
 東京市場は、ドルが買われるも続かず。米国際貿易裁判所がトランプ関税の一部差し止めを命じたことから世界貿易戦争懸念が後退し、円売りドル買いにつながった。ドル円は、午前に前日NY終値比1.4円超の円安水準となる146.28付近まで一時急騰した。その後、トランプ米大統領が判決に対して控訴すると表明したことから、ドル円は145円台後半まで伸び悩んだ。日経平均が午後に700円超まで上げ幅を拡大するとリスク選好の円売りが強まり、再び146円台に乗せる場面があったが、上値は重く再び145円台後半まで押し戻された。クロス円は軒並み円売り優勢。ユーロ円は、午前に一時164円台に乗せたあと、午後に上値を広げ、164.26付近まで上昇した。ユーロドルは朝方のドル高局面で一時1.1210付近まで下落したあと、午後は1.1270台まで戻した。

 ロンドン市場では、ドル安と円高の動きが優勢。東京朝方に「米貿易裁判所がトランプの世界的な関税措置は違法、阻止する判断を下した」と報じられたことで、ドル円が急伸するなどリスク選好の動きが広がった。しかし、146円台前半まで買われたあとは、再び上値が重くなっている。ロンドン市場では欧州株や米株先物・時間外取引が買われているが、次第に上げ幅を縮小。ドル円は一時145円台割れと、東京朝方の上昇をほぼ帳消しとしている。トランプ政権が連邦裁判所に控訴するとしている。市場では関税継続のための代替手段が模索されるとの見方もあるようだ。また、対中強硬姿勢を再び示していることも悪材料。ドル円の下げとともにクロス円も上げを失っている。また、ドル相場はドル売り方向に転じており、ドル指数が下押しされている。ユーロドルは1.12台前半から後半へと再び上昇。ポンドドルは1.34台前半から後半へと買われ、本日の高値を更新。関税措置の停止は目先の税収減にもつながり、米財政への不透明感を高める可能性も指摘されている。

 NY市場は、ドルの戻り売りが強まった。ドル円は一時143円台に下落する場面も見られ、21日線を再び下回る展開となった。東京時間には146円台まで上昇する場面も見られていたが、その上げを維持できていない。この日発表の米GDP改定値や米新規失業保険申請件数がいずれも弱い内容となったことがドル安を誘発していた。本日の動きを見ると、ドルへの長期的な弱気見通しに変化はなさそうだ。トランプ関税巡り米国際貿易裁判所が差し止めを命じたことで、ドルは買い戻しが膨らんでいた。しかし、トランプ関税を確実に実行するなら多数の代替措置があるとの指摘も多く出ている。ユーロドルは買い優勢となり、1.13台後半まで一時上昇。1.14台をうかがう展開が見られている。ポンドドルは1.35を回復する場面も見られた。

(30日)
 東京市場では、円買いとドル買いの動き。米貿易裁判所が違法とした解放の日関税に代わるプランBをトランプ陣営が準備との報道がリスク警戒を広げた。また、朝の東京都区部消費者物価指数(生鮮除くコア)が前年比+3.6%と予想を超える伸びとなったことによる円買いもドル安・円高につながった。日経平均は一時700円近く下げた。ドル円は144円台割れから143.50割れまで下落、午後には144円付近まで下げ渋りも大台付近で上値を抑えられた。ユーロ円は164円付近から163円手前まで円高が進行。ユーロドルは1.13台で下押しされた。

 ロンドン市場では、ドル高・円高にユーロ安の動きが加わっている。ドル高・円高の動きには米関税をめぐる米司法動向の混乱や東京都区部消費者物価の上振れなど、東京時間の材料が影響していたようだ。また、ロンドン時間に入るとユーロ相場が対ポンドなどで軟調に推移する動きが加わっている。パネッタ伊中銀総裁が「追加利下げの余地は縮小したが、マクロ見通しは依然として弱く、貿易摩擦が悪化する可能性もある」と経済の先行きの不安感を示したことや、この後発表されるドイツ消費者物価指数速報値の伸びが鈍化する予想となっていることが影響したようだ。ただ、ドル高の動きには前日のドル売りの反動の面があり、週末・月末を控えたポジション調整が入る面も指摘される。ドル円は144円を挟んだ水準で揉み合い。ユーロドルは1.13台前半、ユーロ円は163円台割れへと軟化している。

 NY市場は月末ということもあり、調整中心の動きに終始し、ドル円も144円付近での上下動に終始している。NY時間に入ってトランプ大統領の投稿が伝わり、市場の雰囲気が再び悪化。ドル円も143円台半ばまで売られる場面が見られたが、戻している。大統領は「中国が米との合意を破った。いい人を装うのはここまでだ」と語っていた。また、トランプ政権が新たな規制を導入し、中国のハイテク業界に対する制限を拡大する計画だとも伝わっていた。ただ、習主席と協議をする意向も示していた。米中協議の進展への期待がこのところの市場の落ち着きを支えていただけに、上記のニュースは気掛かり。米中貿易戦争が再び流動化しそうな気配も出ているが、本日は月末ということもあり、調整中心の値動きに終始していたようだ。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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