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為替相場まとめ5月19日から5月23日の週

為替 

 19日からの週は、米国の格下げの影響もあって米国売りの動きが一時強まった。ドル円は米中合意で12日に148円60銭台からの下げが継続する形でドル売り円買いが優勢となった。16日NY市場夕方にムーディーズによる米格下げが報じられたこともあって週明け下げて始まると、その後もドルる売りが継続。米長期債利回りが上昇(債券価格が低下)、米株が下落、ドル安というトリプル安が目立つ展開となった。143円20銭台まで付けた後、注目された日米財務相会合で具体的な為替水準が議題とならず、為替相場は市場が決定するとの原則を改めて示したことで144円40銭前後まで反発の場面も、すぐにドル安となり142円80銭台を付けた。その後米債券安が一服、米株の下げ止まりも見られ、米国売りが落ち着いたことで144円40銭前後まで戻したが、その後再びドル売りに。さらにトランプ米大統領が米国産でないiPhoneへ少なくとも25%の関税をかける方針を示したことでドル売り円買いが一気に強まり、さらにEU製品への50%関税を示唆したことでドル売りがさらに強まる展開となって安値を更新している。

(19日)
 東京市場は、ドル円が軟調。午前に一時144.81付近まで下落。週末に米大手格付け会社ムーディーズが米国債の格付けを引き下げたことから、ドル売りが優勢となった。午後はいったん145.30台を回復する場面があったが、戻りは限定的となり、午後は再び145円ちょうど付近まで下落した。米格下げを受けて米株価指数先物は下落。米債券も売られ(利回りは上昇)、米10年債利回りは一時4.52%台まで上昇、米30年債利回りは一時5%台に乗せた。ユーロ円はドル円同様に午前に円高傾向となり、一時162.15付近まで下落したが、午後は下げ渋り、162円台半ばまで戻した。ユーロドルはドル売り優勢。午後にこの日の高値となる1.1206付近まで上昇した。
 
 ロンドン市場では、ドル売りが継続している。先週末にムーディーズが米格下げを発表した影響が続いている。米30年債利回りは一時5.02%と一段と上昇、米株先物は時間外取引で下落。為替市場ではドル売りの動きが続いている。ロンドン時間に入ると特にユーロドルやポンドドルなどの上昇が目立っている。ユーロドルは1.11台後半から1.12台後半へ、ポンドドルは1.33付近から1.34付近へと上伸している。クロス円でもユーロ円が163円台前半、ポンド円が194円台乗せまで高値を伸ばした。ドル円はロンドン朝方に144円台後半に安値を広げ、その後も145円付近では上値を抑えられている。この日公表されたEU春季経済予測では、2025・26年の成長率予測が引き下げられた。世界貿易見通しが弱まり、貿易政策の不確実性が高まったことが主な理由としていた。しかし、ユーロ買いの勢いには変化はみられなかった。豪ドルでもドル安や円安の動きがみられているが、中国経済指標の弱さもあって欧州通貨ほどは買われていない。

 NY市場では、ドル円が下げ渋り。きょうの為替市場はドル売りが優勢となる中、ドル円も一時144.65円付近に下落する場面が見られたが、NY時間に入ると下げ渋っている。ただ、145円台に入ると戻り待ちの売りオーダーも観測され上値は重い印象。ドル売りの背景となった米格下げについては一部に「米国の格付け見通しが長期間に渡ってがネガティブウォッチ下に置かれていた事実や、S&Pとフィッチがすでに同様の措置を講じていることを考慮すれば、今回の格下げは特に驚くべきことではない」といった見解も出ていた。一方、オプション市場では、ドル安を想定したポジションが増えており、ドル離れへの為替市場の構造変化を予測する動きは根強い。ユーロドルは一時1.12台後半まで上昇する場面が見られた。ただ、NY時間に入ると伸び悩む展開。ポンドは堅調な展開となり、対ドルにみならず対ユーロでも上昇。本日は英国とEUの首脳会談が行われ、貿易の円滑化と安全保障協力の強化で合意した。5年前の英国のEU離脱以降で、関係改善に向けた最大の一歩を踏み出したこともポンドを下支えしている。

(20日)
 東京市場では、ドル円が振幅後の円高方向に振れた。午前は「ゴトウビ」特有の仲値に向けたドル買い需要を受けて145.51近辺まで高値を伸ばした。しかし加藤財務相が今週予定されているベッセント米財務長官との協議について、為替など諸課題を議論と発言すると144円台後半へと反落。昼前にはベッセント米財務長官が今週末予定の赤沢再生相との関税に関する協議に出席しないとの報道に一時円売り反応がみられた。しかし、赤沢再生相はもともとグリアUSTR代表との交渉予定ですぐに値を戻した。午後にはハト派利下げの豪中銀を受けた豪ドル円の下落が円買いを誘った。加えて20年債入札の不調とともに超長期債利回りが最高水準を記録、円買い圧力が広がった。ドル円は144.30付近に安値を広げている。ユーロ円も163円台前半から162円台前半へと軟化。ユーロドルはドル安を受けて1.12台前半から後半へと上昇。

 ロンドン市場では、円高やドル高の動きは一服している。ドル円はロンドン序盤に144.10レベルまで安値を広げたあとは、144.50付近へと下げ渋っている。ユーロドルは1.1278近辺まで買われたあと、1.1250割れ水準へと反落している。ユーロ円はロンドン早朝に162.42近辺まで下押しされたあとは162.70台まで反発。その後は162円台半ば付近で推移している。ドル円とユーロ円は前日比で円高圏での推移。ユーロドルは前日終値付近へと戻す動き。ロンドン朝方にかけての円高については、日米通商交渉と並行して日米財務相会談が実施される見込みとなっており、その内容を確認できるまでは米国側からの円安是正圧力への警戒感が残っている。また、この日の20年債入札が不調だったことを受けて、30年債など超長期債利回りが1999年以降の最高水準を記録したことなどが材料視された。ロンドン時間に入ると欧州株が堅調に推移しており、前日にみられた米格下げへの反応は一巡した格好になっている。ユーロポンド相場は方向感に欠けており、ポンドドルやポンド円もユーロ相場と同様の値動きとなっている。

 NY市場では、終盤にかけてドルが売られた。終盤にかけてドル売りが優勢となる中、ドル円も上値の重い展開が続き、144円台半ばでの推移。東京時間の早朝には一時145.50円付近まで上昇する場面が見られたものの、145円台に入ると戻り待ちの売りオーダーも観測されているようだ。現地時間の20日からカナダでG7財務相・中央銀行総裁会議が開催され、その際に加藤財務相とベッセント米財務長官とで日米協議の開催で調整とのニュースも流れている。トランプ政権は「ドル高は国益」の従来のスタンスを表向きは変えていないが、水面下では相手国に対して自国通貨高の是正を求めているとの憶測も出ている状況。ユーロドルは1.12台で上下動した後、終盤に1.12台後半に上昇。ECBの利下げについて市場も様々見方が出ているが、年内はあと2回との見方が多い。いまのところ市場では次回6月の利下は確実視しており、本日はECB理事のウンシュ・ベルギー中銀総裁の発言が伝わっていたが、市場の見方は理に適うと述べていた。ポンドドルは堅調に推移し、終盤に1.33台後半に上昇。いまのところポンドには追い風が吹いているが、この水準は長期的に維持できそうにないとの見方も。

(21日)
 東京市場では、ドル安・円高の動きが強まった。ドル円は朝方の144.60台から午後には143.53近辺まで1円以上の下落となっている。午前はドル安主導。先週末の米格下げをきっかけとした米国売りの流れが継続し、米債利回り上昇、米株先物・時間外取引が大幅下落とドル安を加えてトリプル安となった。また、イスラエルがイラン核施設攻撃を計画との報道もリスク警戒の円買いを誘うとともに、イスラエルと関係の深いドル売りも入っていた。ユーロドルはドル安の動きを受けて、1.1280台から1.13台へと上昇。午後には1.1340付近の高値をつけ、いったん値動きが落ち着いた。ユーロ円は売買が交錯も、162円台後半と円高水準で推移した。

 ロンドン市場では、根強いドル売り圧力がみられている。序盤には東京市場からのドル売りに調整が入った。ドル円は143.50割れ水準から144円台を回復した。しかし、欧州株や米株先物は時間外取引が軟調に推移、米10年債利回りは4.54%付近へと一段と上昇しており、ドル安の動きが再燃した。ドル円は143.50付近と再び安値に接近している。ユーロドルは1.1350台から一時1.1310台まで反落したが、その後は再び1.1362近辺まで高値を伸ばした。ポンドドルは日本時間午後3時発表の英CPIが上振れしたことを受けて、1.3470付近まで買われたが、その後は売りが優勢となり1.34台割れまで反落。足元では1.34台前半で推移している。英インフレは今後ピークアウトするとの見方が広がったもよう。対ユーロでポンドは軟調に推移している。ユーロ円は163円を挟んだ振幅。ポンド円は193円台割れから192円台後半へと上値重く推移。

 NY市場は終盤にかけてドル売りが優勢となる中、ドル円も上値の重い展開が続き、144円台半ばでの推移。東京時間の早朝には一時145.50円付近まで上昇する場面が見られたものの、145円台に入ると戻り待ちの売りオーダーも観測されているようだ。現地時間の20日からカナダでG7財務相・中央銀行総裁会議が開催され、その際に加藤財務相とベッセント米財務長官とで日米協議の開催で調整とのニュースも流れている。トランプ政権は「ドル高は国益」の従来のスタンスを表向きは変えていないが、水面下では相手国に対して自国通貨高の是正を求めているとの憶測も出ている状況。
 
(22日)
 東京市場では序盤に一気のドル高円安となった。注目された日米財務相会合は具体的な為替水準について協議しなかった、為替水準は市場が決定するなどと示されたことが円売りにつながった。従来の姿勢の踏襲であるが、円安是正に向けた圧力がかかる可能性が警戒されていた。前日の海外市場で143円29銭を付けた後、143円60銭前後でもみ合っていたところから144円40銭前後まで急騰した。もっとも米トリプル安警戒が継続し、高値から売りが出た。日米財務相会合後の円安進行前の水準を割り込み、前日の海外市場の水準も割り込む展開となった。日本超長期国債利回りの上昇が継続しており、円買いの動きが強まったことでユーロ円などクロス円も売りが出た。ユーロドルは1.13台前半での推移。

 ロンドン市場は序盤円高が加速した。日本の超長期債利回りの上昇が重石。ドイツやユーロ圏のサービスPMIが弱く、ユーロ円でのユーロ売り円買いが出たことも、ドル円の重石となった。ドル円は142円80銭台まで下値を伸ばした。ユーロ円も161円80銭前後まで一時下げた。その後ドル円が反発、143円70銭台を付けた。米債利回りが低下(債券価格が上昇)し、米トリプル安警戒が後退したことがリスク警戒の円買い一服につながった。ユーロ円は162円40銭台まで反発している。ユーロドルは欧州PMIの弱さもあって1.1290前後を付けている。

 NY市場は米財政赤字への懸念が一服し、米国債も買い戻される中、ドル安が一服した。この日発表の米PMIが予想外に強い内容となったこともドルの買い戻しに繋がった模様。そのような中、一時142円台まで下落していたドル円は144円台に戻した。ここ数日、急速に下落していただけに押し目買いや短期筋のショートカバーも出ていたようだ。

(23日)
 東京市場は前日のドル高に対する調整の動きが見られた。米予算案の下院通過などもあり、財政赤字への警戒感が根強く残り、ドル売りが広がった。朝方は日本の超長期債利回りが上昇し、円買いを支える動きとなっていた。午後に入ると日本の超長期債利回りの上昇が落ち着き、米債利回りも低下傾向、米株先物がもみ合うなど米国売りが一服も、ドルの先安観もあって上値の重い展開が継続した。ドル円は143円30銭台まで売りが出た。ユーロドルなどでもドル安が優勢で、朝の1.1280前後から1.1327を付けた。ドル主導の展開でユーロ円などクロス円は不安定な動き

 ロンドン市場に入っても東京市場に続いてドル安が優勢。ドル円は東京の安値をあっさり割り込み、143円10銭台を付ける展開。その後143円40銭台までいったん反発も、そこでトランプ大統領が米国産でないiPhoneに少なくとも25%の関税と発言したことでドル売り円買いが一気に進んだ。さらにEU製品に対する50%関税も示唆し、リスク警戒の円買いが一気に進んで142円50銭台を付ける動きを見せた。ユーロドルはドル安の流れに押され前日の1.1250台からの上昇がロンドン市場まで続く形となった。1.1350超えを付けた後、iPhone関税の発言でドル売りが強まり1.1370台を付けたが、さらにEU製品に対する50%関税の発言が出たことでユーロ売りとなり1.1300台まで急落となるなど、荒っぽい上下を見せた。リスク警戒の円買いとEU関税でのユーロ売り両面から下げたユーロ円は、発言前まで対ドルでのユーロ買いもあって162円70銭前後を付けていたが、一気に161円10銭台へ急落した。ポンドなどもユーロに連れ安。ポンドドルはトランプ発言前までしっかりとなっていたが、1.3500前後から1.3510台を付けた後、1.3470台を付けた。対円では193円50銭前後から192円10銭台を付けている。

 NY市場でドル円は142円台半ばに下落。序盤はリスク回避の雰囲気が広がった。鳴りを潜めていた関税の話題が再び浮上している。トランプ大統領がアップルへの25%超の関税を課す可能性を示唆したほか、EUに6月1日から50%の関税を課すことを表明した。関税については楽観的なムードが広がっていただけに、本日のトランプ大統領の投稿はショックを与えていたようだ。一方、米財政への懸念によるドル安の動きは根強い。ベッセント財務長官はドル安ではなく、他の通貨高が原因と発言していたが、市場からは、米債務問題に関する不安がドル安の要因との見方が強い。エコノミストからは、減税法案はドル資産にとってジレンマとなっているとの指摘も出ている。法案が可決されれば、10年間で数兆ドルの債務が追加される可能性があり、可決されなければ減税がなく、米景気後退リスクを助長する恐れがあると述べていた。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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