【これからの見通し】硬軟取り混ぜたトランプ関税に市場の反応も鈍る
【これからの見通し】硬軟取り混ぜたトランプ関税に市場の反応も鈍る
トランプ関税関連の報道が駆け巡っている。4月2日の相互関税発動を控えて、米国製以外の自動車に25%関税を課すと発表された。一方で、自動車部品の輸入については1カ月間の猶予を認めている。どうもテスラ製造に配慮した措置のようだ。また、中国に関してはティックトックの米国への事業売却を促進するために、対中関税引き下げの可能性を示している。硬軟取り混ぜたトランプ氏の手法に市場の反応も鈍ってきているようだ。
また、今週は3月末に接近しており、月末、四半期末、年度末などに関連した実需や機関投資家のリバランスといったフロー主導の展開ともなっているようだ。不規則に相場が上下動する局面が多く、落ち着かない相場展開となっている。しかし、急速に一方向に動くこともなく、それほど波乱はみられていない。
昨日は英国関連の話題が多かった。英CPIの伸びは若干鈍化。英春季予算案については、事前報道で企業に対する負担増や福祉などの歳出削減など財政健全化に振った内容が伝えられていたことで、ポンド相場に目立った波乱はみられなかった。成長見通しの引き下げも既報だった。全般的には英経済成長にとって明るい内容ではなく、ポンドはやや売り圧力を受けた程度。
きょうこの後の海外市場で発表される経済指標は、トルコ雇用統計(2月)、ユーロ圏・マネーサプライM3(2月)、ノルウェー中銀政策金利(3月)、南ア生産者物価指数(PPI)(2月)、ブラジル拡大消費者物価指数(IPCA)(3月)、メキシコ貿易収支(2月)、メキシコ中銀政策金利(3月)、米実質GDP(確報値)(2024年 第4四半期)、米卸売在庫(速報値)(2月)、米新規失業保険申請件数(03/16 - 03/22)、米中古住宅販売成約指数(2月)などが予定されている。米GDPは確報値ということもあって市場へのインパクトは限定的となりそうだ。市場予想は+2.3%と改定値から変わらずとなっている。価格指数や個人消費も変化は見られない見込み。
発言イベント関連では、トランプ関連の注目度は高いが、上記のように市場の反応度は鈍ってきている。金融当局者の講演やイベント予定は多い。ビルロワドガロー仏中銀総裁、デギンドスECB副総裁、ウンシュ・ベルギー中銀総裁、エスクリバ・スペイン中銀総裁、シュナーベルECB理事などECB当局者の発言予定が目白押し。ロンドン朝方にはディングラ英中銀委員のインフレ目標に関する講演も予定されている。NY終盤にはバーキン・リッチモンド連銀総裁、コリンズ・ボストン連銀総裁の講演も予定されている。その他では、米7年債入札(440億ドル)が実施される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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