ドル円、155円台で膠着 トランプ大統領の関税発言に本日は落ち着いた反応=NY為替概況
ドル円、155円台で膠着 トランプ大統領の関税発言に本日は落ち着いた反応=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は東京時間に激しく上下動し、一時154円台に下落する場面も見られていたが、NY時間にかけて一時156円付近まで戻す場面も見られた。NY時間に入ってドル売りが優勢となったが、円売りも見られ、ドル円は155円台で膠着していた。
トランプ大統領は「メキシコとカナダに対して25%の関税を2月1日に実施するつもりだ」と述べたが、中国にはまだ具体的に言及していないが、自身の1期目の任期中に締結した合意を順守したかどうかを精査するよう命じている。ただ、いまのところ市場は落ち着いた反応を見せており、株高・円安に繋がったようだ。
円については今週の日銀決定会合が注目され、一部報道で日銀が今週追加利上げを決定する方向と伝わっていた。トランプ大統領の就任後の金融市場で大きな波乱が見られず、環境がほぼ整ったと伝えている。ただ、円高の反応は見られず、逆に円安の反応が見られていた。
日銀の利上げについては市場もほぼ織り込み済みといった雰囲気で、短期金融市場でも90%近くの確率で見ている。当日は次のヒントを探る会合になりそうだが、植田総裁は慎重姿勢を堅持するものと見られており、市場ではハト派な利上げになると見られているようだ。そのため、円高の反応は期待しにくいといった声も聞かれる。市場はいまのところ、今週の決定会合後に年内あと1回の利上げを織り込んでいる状況。
ユーロドルは1.04ドル台まで買い戻された。本日のユーロドルは一時1.03ドル台半ばに下落していたが、21日線にサポートされる格好で1.04ドル台に戻している。NY市場が休場だった前日にユーロドルは買い戻しが強まり、オプション市場ではパリティ(1.00ドル)への下落の可能性を後退させている。1.04ドル台に入ると上値抵抗が強まりそうだが、1.05ドル台を回復できるようであれば、自律反発のリバウンド相場も期待できそうだ。ユーロ自体に好材料は見当たらないが、一部からは売られ過ぎとの声も出ている。
一方、ECBの利下げについて情勢に変化はない。来週のECB理事会での0.25%ポイントの利下げがほぼ確実視されているほか、その後についても理事会ごとに利下げ実施との見方もECB理事のビルロワドガロー仏中銀総裁から出ていた。夏までに中銀預金金利は2.00%までの低下の可能性に言及していた。
ポンドドルも1.23ドル台に買い戻された。本日の21日線が1.2390ドルに来ており、その水準が目先の上値メドとして意識されそうだ。ロンドン時間に英雇用統計が発表されていたが、12月の雇用者数が予想以上に減少していたことで、2月の英中銀の利下げ観測を裏付ける内容との指摘も聞かれた。
一方、英財政問題への懸念は根強い。大手のヘッジファンドからは、英国は債務返済のためにさらに借り入れが必要になるとの警告も出ている。英国は債務返済のために借り入れを増やし、その他の支出を削減するか増税が必要になる可能性があると警鐘を鳴らしていた。
英国は債務の悪循環に陥る可能性があり、その場合、金利負担の増大に対応するため、より多くを借り入れを行わなければならなくなるという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。