ドル安・円安の動きも調整色強い 仏政治情勢深刻もユーロに買い戻し入る=ロンドン為替概況
ドル安・円安の動きも調整色強い 仏政治情勢深刻もユーロに買い戻し入る=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、ドル安・円安の動き。前日の値動きに調整が入る格好となっている。話題となっているフランスの政治情勢だが、事態は好転することなく政府と極右・極左などとの交渉は決裂。あすにはバルニエ政権の不信任決議が実施される。今後の政局次第ではフランス国債が売られ、格下げなど危機的状況に陥る可能性も指摘される。ただ、その他の欧州各国への影響が現時点では限定的。そのなかで、欧州株は堅調に推移している。前日の米株式市場でナスダック指数やS&P500が最高値を更新、独DAX指数は連日の最高値更新となっている。きょうはリスク選好の面が強く、為替市場では前日のドル高などに巻き返しが入る格好となっている。ユーロドルは1.04台後半から1.05台前半へ、ポンドドルは1.26台半ばから1.27手前水準へと上昇。ユーロ円は157円台前半から158円手前水準へ、ポンド円は189円台前半から190円台乗せへと上昇。ただ、ポンド売り・ユーロ買いの動きもみられて、ポンド相場は上値を抑えられている。ドル円は東京市場で上昇したが、ロンドン時間には反落。150円台を割り込んできている。このあとのNY市場では米雇用統計の前哨戦となるJOLTs求人件数が発表される。NY後半にはクーグラーFRB理事、グールズビー・シカゴ連銀総裁などの講演が予定されている。
ドル円は149円台後半での取引。東京市場では149.50近辺を安値に150.24近辺まで買われた。しかし、ロンドン時間にかけては上値が重くなっている。150円を挟んだ取引が続く中で149.70付近まで押し戻されている。米10年債利回りは4.18%台から4.21%台へと上昇。欧州株は前日NY株式市場の堅調を受けて、プラス圏で推移している。リスク動向の回復が、前日のドル高などの動きへの調整につながっているもよう。
ユーロドルは1.05台前半での取引。東京市場でつけた1.0481近辺を安値に、ロンドン時間に入ると買いが強まり、1.0531近辺まで高値を伸ばしている。その後も1.05台に高止まりしている。ユーロ円は東京市場から引き続き買われている。157円台前半から一時157.98近辺まで高値を伸ばした。足元では買い一服も157円台半ばまでの動きにとどまっている。対ポンドではユーロ買いが優勢。話題となっている仏政治情勢は好転することなく、あすには政府に不信任決議が行われる予定。ただ、この日は欧州株高を受けてリスク回避の動きには調整が入っている。
ポンドドルは1.26台後半での取引。東京市場でつけた1.2639近辺を安値に、ロンドン時間には一時1.2697近辺まで高値を伸ばした。しかし、対ユーロでのポンド売りが入ると上値を抑えられている。ポンド円は東京朝方の189.20近辺を安値に買われ、ロンドン序盤には190.38近辺に高値を更新。しかし、その後は売りが入り189円台に押し戻されている。ユーロポンドはロンドン朝方に0.8287近辺まで小幅に下押しされたが、その後は上昇に転じると高値を0.8310近辺に伸ばしている。この日はユーロに買い戻しの動きが入っている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。