【これからの見通し】イベント待ちで相場は停滞、きょうは米ＧＤＰ速報値などに注目

【これからの見通し】イベント待ちで相場は停滞、きょうは米ＧＤＰ速報値などに注目

　今週は日米の政局をにらみながら神経質な展開が続いている。ただ、ドル円は153円台での取引へと次第に収束してきている。あすの日銀決定会合の結果発表や金曜日の米雇用統計、来週の米大統領選などの注目イベントを控えるなかで、ドル円相場は待ちのムードとなっているようだ。

　株式市場ではナスダック指数が最高値を更新、中東情勢が最悪期を脱しつつあることで原油相場は下落、全人代にむけた中国の追加景気刺激策への期待、日本の政局の行方が次第に固まりつつあることなど市場の波乱材料は収まる傾向が見られている。市場は次の材料を探る局面となっているようだ。

　そのなかで、本日は一連の米経済指標が発表される。ＭＢＡ住宅ローン申請指数（10/19 - 10/25）、ＡＤＰ雇用者数（10月）に続いて、実質ＧＤＰ速報値（第3四半期）、中古住宅販売成約指数（9月）などが発表される予定。注目の米ＧＤＰ速報値は、前期比年率＋２．９％と前回の＋３．０％から大差ない数字が予想されている。個人消費は＋３．３％と前回の＋２．８％から一段と強含む予想となっている。価格指数は前期比＋１．９％（前回＋２．５％）、前年比＋２．１％（＋２．８％）といずれも伸びが鈍化する見込み。予想通りであれば、成長力を維持しつつ物価が落ち着く良好な経済状況が示されることとなる。波乱材料としては、ハリケーンや大企業のストライキなどの影響があるが、ある程度市場には織り込まれており、予想からの大きな下振れにならなければ無難に通過しそうだ。

　上記に先立って、一連の欧州経済指標も発表される。フランス実質ＧＤＰ速報値（ 第3四半期）、ドイツ雇用統計（10月）、ドイツ実質ＧＤＰ速報値（第3四半期）、ユーロ圏消費者信頼感指数・確報値（10月）、ユーロ圏景況感指数（10月）、ユーロ圏実質ＧＤＰ速報値（第3四半期）、ドイツ消費者物価指数速報（10月）など。

　発言イベント関連では、シュレーゲル・スイス中銀総裁の会見、リーブス英財務相が予算案を発表、シュナーベルＥＣＢ理事がイベントに出席、ビルロワドガロー仏中銀総裁とナーゲル独連銀総裁が講演を行う。また、マックレム加中銀総裁、ロジャース加中銀上級副総裁が上院常任委員会に出席する。英財務相の予算案発表については増税されることが周知されており、中長期的な財政出動も期待されているようだ。ポンド相場にとっては当初ほどのマイナス材料とはみられていないもよう。

　その他には米週間石油在庫統計が発表される。米主要企業決算が目白押しとなっており、メタプラットフォームズ、イーライリリー、コインベース、マイクロソフト、スターバックス、ドアダッシュ、ロク、キャタピラー、イーベイ、バイオジェン、アムジェン、クラフトハインツ、シェイクシャック、アッヴィなどと注目企業の発表が集中する。
　
minkabu PRESS編集部 松木秀明