FX/為替「ドル/円、146円台回復 PCEを消化して焦点は雇用統計へ」 外為どっとコム トゥデイ 2024年9月2日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年9月2日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼30日(金)の為替相場
(1):豪小売売上高は前月から横ばい
(2):ユーロ圏CPIは予想通り前月から鈍化
(3):米PCEデフレーターは概ね予想通りの結果
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:もみ合う展開となりそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
30日(金)の為替相場
期間:30日(金)午前6時10分~31日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪小売売上高は前月から横ばい
豪7月小売売上高は前月比±0.0%と市場予想(+0.3%)を下回った。豪政府による所得税減税や生活費補助が7月にスタートしたものの、小売売上高は伸びなかった。
(2):ユーロ圏CPIは予想通り前月から鈍化
仏8月消費者物価指数(CPI)・速報値は欧州連合(EU)基準で前年比+2.2%と市場予想(+2.1%)を上回ったが、前月(+2.7%)から伸びが鈍化した。その後に発表されたユーロ圏8月CPIは前年比+2.2%だった(予想+2.2%、前月+2.6%)。
(3):米PCEデフレーターは概ね予想通りの結果
米7月個人消費支出(PCE)は前月比+0.5%と予想通りの伸びだった。同PCE物価指数(デフレーター)は前月比+0.2%、前年比+2.5%といずれも予想通りだった。食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは前年比+2.6%と市場予想(+2.7%)を下回り、前月と同率の伸びとなった。米連邦準備制度理事会(FRB)が重視するインフレ指標であるPCEデフレーターが概ね予想に沿った結果だったことから、9月の利下げは50bp(0.50%ポイント)ではなく25bpにとどまるとの見方がやや強まった。
30日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:もみ合う展開となりそう
30日のドル/円は1週間ぶりに146円台を回復。終値は前日比1円20銭あまり高い146.21円前後だった。NY市場では、米7月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)発表後の米長期金利上昇や、月末の特殊フローと見られるドル買いを背景に一時146.25円前後まで上昇した。米7月PCEデフレーターの前年比の伸び率は6月と同水準で、市場は9月の大幅利下げを正当化する内容ではないとの見方に傾いた。とはいえ、米金利先物は9月の50bp(0.50%ポイント)利下げの可能性を依然として30%織り込んでいる。米国の利下げ幅(を巡る市場観測)は今週6日の米8月雇用統計に委ねられることになった。また、8月雇用統計の前哨戦として、明日3日に米8月ISM製造業景況指数(雇用指数)、4日に米7月JOLT求人件数、5日に米8月ADP全国雇用者数と雇用関連の重要統計が連日発表される。本日は、これらを前に様子見ムードが広がりやすい上に、米国がレーバーデーの祝日でNYの株式・債券市場は休場となる。ドル/円は145~146円台でもみ合う展開となりそうだ。
注目の経済指標:財新製造業PMI
注目のイベント:
特になし
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※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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