投資家は急激な円高に留意しておく必要=NY為替
為替市場は日銀の最新のコメントを素直に受け止めているが、投資家は円相場が定期的に乱高下し、そのたびに急激な円高につながる可能性があることに留意しておく必要があるとの指摘も出ている。
日銀の氷見野副総裁はきょう、インフレと経済全体が日銀の予測通りに推移する限り、日銀は利上げに踏み切るだろうと発言した。しかし、市場はその発言を過小評価している。短期金融市場では、年内の利上げの可能性をほとんど織り込んでおらず、それどころか、来年半ばまでに利上げが実施される可能性すら見出されていない。
ドル円はここ数日、買い戻しが出ているが、その落ち着きは一時的なものなのかもしれない。オプション市場ではボラティリティが高まる可能性が意識されており、ドル円の3カ月物のボラティリティは向こう3カ月間にドル円が134円まで下落する可能性を織り込んでいる。
いまのところ、ドル円は持ち堪えてはいるが、FRBの利下げサイクルが接近しつつあるいま、ドル円はさらに下落局面を迎えると予想している。ここ数年、ドル円の動きの原動力の多くはドルによってもたらされてきた。しかし、現在は円サイドも影響力を増しており、それはドル円が今後、いかに不安定になりそうかを強調しているという。
USD/JPY 144.69 EUR/JPY 160.83
GBP/JPY 190.80 AUD/JPY 98.04
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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執筆者 : MINKABU PRESS
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