ドル円は156円台を回復 円安が根強い=NY為替概況
ドル円は156円台を回復 円安が根強い=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル買いの動きは一服していたものの、ドル円は買い戻しが優勢となり156円台を回復した。米国債利回りが上昇したことがドル円をサポート。また、円安の動きが根強く、対ドルのみならず、ユーロやポンドといった対クロスでも円は軟調に推移した。
日本国債の利回りは上昇しており、2年物および10年物の利回りは10年ぶりの高水準まで上昇。先週発表の1-3月期の日本のGDPはマイナス成長だったものの、市場は4-6月期の回復を見込んでいるとの指摘が一部から出ている。日本国債に対する米国債の10年と20年のイールドプレミアムも過去2週間で縮小しており、ドル円の弱気反転の可能性を裏付けている
ただ、ドル円は底堅い推移を続けている。テクニカル分析ではドル円は中期的な上昇トレンドが継続する可能性があるとの指摘も出ており、短期的には157円ちょうどおよび155.30円の2つの重要なレベルが意識されるという。
ユーロドルは上値の重い展開を見せていたものの、下押す動きもなく1.08ドル台での底堅い推移を続けている。1.09ドル手前に強い上値抵抗が観測されているが、その水準突破を試そうというセンチメントは依然残っているようだ。
ECBがFRBに先駆けて利下げに踏み切ることにいまや、ほとんど疑いの余地はないと見られている。FRBは現行水準をしばらく維持しそうな気配だが、スイスやスウェーデンをはじめとする他の中銀は、それぞれの国でインフレが管理可能なレベルまで鈍化していることから、すでに利下げを開始している。6月にはECBもそれに追随しそうだ。
以前はECBや他の主要中銀はFRBを意識する必要があるとの見方も出ていたが、それは奇妙なものだったとの指摘も出ている。
ポンドドルは上値追いが続き、4月初旬に上値を拒んだ1.27ドル台を回復。昨年末から今年に入って何度も上値を拒んだ1.28ドルを試しに行くか注目される。その意味でも今週の4月の英消費者物価指数(CPI)は注目。
今回はインフレの急低下が見込まれており、総合指数はインフレ目標の2%に急接近すると見られている。一方で市場はサービスインフレの動向を注視しており、それが予想を上回るようであれば、6月の利下げ期待が8月に後退し、短期的にポンドは上昇との見方も出ている。電話料金やインターネット料金のような特定の商品やサービスの価格が4月に更新されたため、インフレに影響を与えた可能性があるという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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