ポンド売り強まる、英中銀はインフレ見通し引き下げ、副総裁も利下げ主張=ロンドン為替概況
ポンド売り強まる、英中銀はインフレ見通し引き下げ、副総裁も利下げ主張=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、ポンド売りが強まっている。英金融政策委員会(MPC)では予想通り政策金利が据え置かれた。注目の票割れは7対2と前回の8対1から変化した。ディングラ委員に加えてラムスデン副総裁が利下げ派に加わった。また、インフレ見通しは1年後から3年後にかけてすべて引き下げられている。ベイリー英中銀総裁は、状況が正しい方向に向かっていると楽観、とした。この内容を受けてポンが急落。対ドルは1.25付近から1.2450割れへ、対円は194円台後半から194円割れ目前まで下落。対ユーロでもポンド売りが強まっている。次回6月の利下げ開始の下地が築かれたようだ。発表前からロンドン市場はドル高の動きが続いた。ドル円は155円台半ばから156円手前へと買われ、ユーロドルは1.07台半ばから前半へと軟化。米債利回りの上昇が手掛かりとなっている。クロス円は買われており、円安の面も指摘される。ユーロ円は167円台前半で堅調な動き。ポンド円は英中銀発表までは194円台前半から後半へと買われていた。対豪ドルや、対カナダドルなどでも円安の動きがみられている。原油高の動きが資源国通貨買いにつながる面もあったようだ。
ドル円は155円台後半での取引。東京午前に日銀主な意見のタカ派内容を受けて155.17近辺まで下落も、すぐに買戻しが入った。ロンドン時間にかけては米債利回り上昇とともに上値を試す動きとなっている。足元では高値を155.95近辺まで伸ばしている。先週の乱高下の半値戻しが156円付近となっており、上値メドとして注目されている。
ユーロドルは1.07台前半での取引。東京昼過ぎの1.0752近辺を高値に、その後は米債利回り上昇とともに売りに押されている。ロンドン序盤には1.0726近辺の安値をつけた。その後はやや買い戻しも、引き続き1.07台前半で推移している。ユーロ円は東京午前の166.75近辺を安値に167.20付近に買い戻されて揉み合った。ロンドン時間には一時167.44近辺まで高値を伸ばした。その後はポンド円の下落で、上値を抑えられた。
ポンドドルは1.24台半ばでの取引。東京昼過ぎの1.2502近辺を高値に、その後は上値重く推移。英中銀発表前は1.2470付近まで下落したあと、1.2490台まで買い戻される神経質な動き。英中銀が政策金利据え置きを発表し、票割れで利下げ派が2名に増え、インフレ見通しが各期間で引き下げられると1.2446近辺まで急落した。ポンド円は東京午前に193.85近辺まで一時下落も、すぐに194円台半ばまで買い戻された。ロンドン時間に入ると194.86近辺まで高値を伸ばした。しかし、英中銀発表後には194.06近辺まで急反落した。対ユーロでもポンドは急反発している。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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