【これからの見通し】円安とドル高が進行、植田総裁のアクセルに鈴木財務相のブレーキ効かず
【これからの見通し】円安とドル高が進行、植田総裁のアクセルに鈴木財務相のブレーキ効かず
ドル円は155円台に乗せた。先週末の米雇用統計後に151.86近辺まで下落したあと、先週末から今週にかけてはドル円は上昇軌道に乗っている。きょうは植田日銀総裁が「足元の円安これまでのところ基調的な物価上昇率に大きな影響はない」と発言。直近の決定会合後の会見では同内容の発言が円売りを誘発したことは記憶に新しい。きょうも今後の利上げの可能性に言及したものの、市場ではかえって円安進行のアクセルとなっていたようだ。
一方で、鈴木財務相は「過度な変動は望ましくない」と相変わらずの円安けん制も、ブレーキの効きは弱い。市場では再度の覆面介入がなければ、日米金利差に基づく円売り・ドル買い圧力が根強い状況となっている。
このあと、日本時間午後5時30分からは植田日銀総裁が読売国際経済懇話会(YIES)で講演を行う予定。円相場の動向が注目されよう。
海外市場で発表される経済指標は、スウェーデン中銀政策金利(5月)、米MBA住宅ローン申請指数(04/27 - 05/03)、米卸売在庫(確報値)(3月)、ブラジル小売売上高(3月)、ブラジル中銀政策金利(5月)など。主要通貨にインパクトを与える材料としては弱いだろう。
発言イベント関連では、ウンシュ・ベルギー中銀総裁、デコス・スペイン中銀総裁などECB当局者の講演が予定されている。さらに、ジェファーソンFRB副議長、コリンズ・ボストン連銀総裁、クックFRB理事などFRB当局者の講演や討論会参加が予定されており、ドル相場にとっての注目材料となる。
その他には、米週間石油在庫統計の発表、米10年債入札(420億ドル)の実施、ウーバー、アームなどの米企業決算が予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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