ドル高が進行、ドル円は146円台後半 ウォラーFRB理事の講演を控えて=ロンドン為替概況
ドル高が進行、ドル円は146円台後半 ウォラーFRB理事の講演を控えて=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル高が進行している。ドル円はロンドン時間に入ると買いが強まり146.75近辺に高値を更新。昨年12月7日以来の高値水準となった。引き続き日銀のマイナス金利解除観測の後退や新NISA関連の外貨買い需要などの思惑が広がった。その他通貨でもドル買いの動きが広がった。ユーロドルは1.09台を下抜けして1.0870台に下押し。ポンドドルは1.27台割れから1.2620付近へと下落。いずれも目立った調整の動きは入らずに、ドル買いが続いている。ポンドにとってはロンドン朝方発表の英雇用統計で賃金の伸びが予想以上に鈍化したことも売りを誘った。また、ユーロにとっては最新のECB消費者インフレ期待が1年先、3年先ともに前回から下振れしたことが重石となった。独ZEW景況感は予想以上に改善していたが、現状指数は引き続き低迷。ZEWの回答者の過半はECBや米FRBの早期利下げ開始を期待していた。しかし、このあとのNY市場で予定されているウォラー米FRB理事の講演に注目が集まるなかで、市場ではタカ派の発言内容が警戒される面もあるようだ。欧州株および米株先物は軟調に推移している。11月には今年の利下げ開始に言及したウォラー理事だが、本来タカ派でもあり、昨今の中東情勢の悪化などを考慮した発言も警戒されそうだ。
ドル円は146円台後半での取引。東京朝方の145.59近辺を安値に東京市場では146.20台まで買われた。ロンドン時間に入ると一段と買いが強まり高値を146.75近辺に更新している。昨年12月7日以来のドル高・円安水準となっている。連日の大台替わりの展開となっている。
ユーロドルは1.08台後半での取引。東京朝方の1.0951近辺を高値に、その後は売られ続けている。ロンドン時間には1.09台割れから1.0870台へと安値を広げている。ユーロ円はドル円とユーロドルの綱引き状態となっており、東京市場での159.24から159.72までのレンジ内で揉み合っている。対ポンドではややユーロ買いが優勢だが、神経質に売買が交錯している。ECB消費者インフレ期待が一段と低下する一方、独ZEW景況感は予想外の改善をみせていた。今日は比較的ハト派のECBメンバー発言が多く、前日のタカ派メンバー発言の見方を相殺していた。
ポンドドルは1.26台前半での取引。東京朝方の1.2737近辺を高値に、売られ続けている。ロンドン朝方に発表された週平均賃金が予想以上に伸び鈍化を示したことが一段と売りを誘った。足元では安値を1.2620付近に更新している。総じてドル高の圧力が優勢となり、下押しされた面もあった。ポンド円は東京朝方の185.60付近を高値にその後は上値を抑えられている。ロンドン朝方には一時184.99近辺まで安値を広げた。その後は売買が交錯している。ユーロポンドは0.8597から0.8620までのレンジで推移。ややポンド売りに傾いているが、神経質な上下動となっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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