ドル円144円台に上昇、地震受けた思惑や米債利回り動向、欧州通貨買いなどで=ロンドン為替概況
ドル円144円台に上昇、地震受けた思惑や米債利回り動向、欧州通貨買いなどで=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル円が144円台に上昇している。年明け以降、連日1円超の値幅での上値追いが続いている。きっかけとなったのが能登半島地震で、日銀の早期マイナス金利解除観測が後退したことがあるようだ。ロンドン時間に入るとユーロ円やポンド円とともに一段高となっている。仏独ユーロ圏、英国などの12月非製造業PMI確報値がいずれも速報値から上方改定されたことを受けて、ユーロやポンドが買われている。ドル円の144円台乗せとともに、ユーロ円は158円付近、ポンド円は183円台前半へと高値を伸ばしている。また、米債利回りの上昇が日米金利差拡大を想起させた面も指摘される。米10年債利回りは3.90%付近から3.95%台へと再び上昇している。あすの米雇用統計発表を控えた調整の動きも警戒されるが、年初からの円売りの流れは継続している。
ドル円は144円台前半での取引。東京午前に142.86近辺まで下押しされたが、すぐに買いの流れが復活した。東京午後に143.80台まで買われたあと、米債利回りの低下局面で一時143.20近辺まで反落。しかし、ロンドン時間に入ると米債利回りが上昇、欧州通貨買いの動きも加わり144円台乗せから144.30付近へと高値を伸ばしている。12月19日以来の高値水準となっている。
ユーロドルは1.09台半ばでの取引。東京午前につけた1.0916近辺を安値に、その後は買いの流れが続いている。ロンドン時間に入ると12月の仏独ユーロ圏、英国などの非製造業PMI確報値が上方改定されたことを受けてユーロドルは1.0972近辺まで高値を伸ばした。その後は米債利回りの上昇などで買い一服も1.09台半ばまでの下げにとどまっている。ユーロ円はドル円とともに上伸。東京午前の156.08近辺を安値に、ロンドン時間には158.09近辺まで上昇。対ポンドでは売買が交錯しており、方向性に欠けている。
ポンドドルは1.27付近での取引。東京昼前の1.2657近辺を安値に、ロンドン市場では1.2730近辺まで買われている。ポンド円はドル円とともに上昇。東京午前の181.02近辺を安値に、ロンドン時間には183.35近辺に高値を伸ばしている。ユーロポンドは0.8610-0.8630レベルでの揉み合いと、方向性は希薄。ユーロ圏とともに英国の非製造業PMI確報値も上方改定された。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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