ドル円は節目の150円を割り込む 感謝祭ウィーク控えポジション調整が活発化=NY為替概況
ドル円は節目の150円を割り込む 感謝祭ウィーク控えポジション調整が活発化=NY為替概況
きょうの為替市場はドル売りが優勢となり、ドル円は節目の150円を割り込んだ。ストップを巻き込んで一時149円台前半まで下落。150円の水準には買い圧力も観測されていたが、比較的あっさりと割り込んだ印象だ。21日線も下放れており、下値警戒感を高める展開が見られている。
今週は米インフレ指標や小売売上高といった重要イベントを通過したが、市場は「FRBの利上げサイクルは終了、来年第2四半期以降の利下げ開始」のシナリオで、とりあえず着地しているようだ。楽観的なシナリオではそれにソフトランディングが加わっている。これまでドルを支えていたシナリオが若干後退しており、ドルロングの解消が続いているものと思われる。
来週は感謝祭ウィークで市場参加者が少なくなることが予想される中で、ドル円もポジション調整が活発に出ている可能性もありそうだ。
ユーロドルは底堅い動きを続けている。200日線の上をしっかりと維持し、1.09ドル台をうかがう展開を見せている。ユーロドルはリバウンドの動きが続いているが、ユーロ圏経済への不透明感は根強く、先行きにネガティブな見方が多いことも事実。現在のリバウンド相場は一時的と見ている向きも少なくないようだ。
一方、来年のドル安シナリオから、ユーロドルに対して強気な見方も出ている。その強さは第2四半期以降に顕著になり、来年末には1.15ドルまで上昇する可能性があるという。それは「米経済の減速と伴に米インフレも緩和することから、FRBは金融政策を緩めることができる」というシナリオに全面的に依存している。
世界的に利下げムードが高まれば、ECBよりもFRBの方が積極的に行動するとの見方もあるようだ。
ポンドドルは底堅い動きが続いた。200日線が1.2445ドル付近に来ているが、その水準を意識した動きが見られているようだ。
きょうは10月の英小売売上高(数量ベース)が発表になっていたが、前月比0.3%減と予想に反して減少していた。クリスマス商戦シーズンを控える中で、生活費高騰が引き続き家計を圧迫していることが示された。ほぼ全業種で売上高が減少し、食料品店と燃料以外は前月に引き続きの落ち込みとなった。
これを受けてエコノミストからは、英消費は今後も低迷を続ける可能性が高いとの指摘が出ている。広範囲の落ち込みは金利上昇の影響が強まっていることを示唆し、これは消費者マインドの低下を示唆している。消費者マインドは今後も引き続き低迷し、英個人消費に重くのしかかると予想されるという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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