ドル売り一服、英欧のインフレ鈍化で ドル円は150円台前半=ロンドン為替概況
ドル売り一服、英欧のインフレ鈍化で ドル円は150円台前半=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル売りが一服している。英インフレ指標の伸びが予想以上に鈍化したことがポンドドルの売りを誘い、ややドルが買い戻されている。ユーロドルも連れ安となるなかで伊消費者物価確報値が下方改定され、ユーロにも売り圧力がみられた。また、EUは今年の成長率予測を従来の0.8%から0.6%へと引き下げた。高いインフレ率、金利、外需の低迷が予想以上に成長率に大きな打撃を与えたとしている。ユーロドルは1.0880台から1.0840台まで軟化した。ポンドドルは1.25付近が重くなると1.2450台まで軟化。欧州株は前日の米消費者物価に続いて英欧でのインフレ鈍化を好感して堅調に推移している。ただ、クロス円は調整的な売りに押されており、ユーロ円は164円手前水準から163円台割れ目前まで一時下落。ポンド円は188.20台から187.30台へと下落している。ドル円は米債利回りの下げ渋りとともに、前日NY市場での下げが一服しているが、150.80付近で上値を抑えられると、ロンドン時間には150.30近辺まで再び下げている。ただ、前日の米消費者物価指数発表後の値動きと比較すると、いずれも小幅の動きにとどまっている。このあとのNY市場で発表される米小売売上高や米生産者物価指数などの結果を見極めたいとのムードもあるようだ。
ドル円は150円台前半での取引。前日のNY市場で151円台後半から150円台前半まで下落したあと、東京市場では150.79近辺まで一時反発した。その後は150円台半ばを中心とする揉み合いが続いた。ロンドン時間に入るとユーロ円やポンド円が軟調に推移したことで、ドル円も上値を抑えられ、150.30付近へと小幅に軟化している。
ユーロドルは1.08台後半での取引。前日NY市場で1.07付近から1.08台後半へと上昇した。東京市場では1.0884近辺まで買われたが、狭いレンジに終始した。ロンドン時間に入るとポンドドルにつれ安となったほか、米債利回りが下げ渋ったことなどで一時1.0844近辺まで下押しされている。その後は、下げも一服してこの後の米指標発表待ちとなっている。ユーロ円は163.94近辺を高値に、ロンドン時間は軟調な値動き。安値を163.07近辺まで広げた。対ポンドではユーロ買いが先行も、その後は値を戻した。前日NY市場の値動きに調整が入る面が強かったが、EUの成長予測引き下げやイタリア消費者物価指数の伸び鈍化などの影響もあったようだ。
ポンドドルは1.24台後半での取引。前日NY市場では1.23台割れ水準から1.25付近まで上伸した。東京市場では1.24台後半に高止まり。ロンドン早朝に発表された10月英消費者物価指数が前年比+4.6%と前回の+6.7%から予想以上に鈍化、ポンド売りを誘った。ポンドドルは1.2454近辺まで一時下落した。ただ、前日の上昇よりも小幅の値動きにとどまっている。ポンド円は東京午後につけた188.24近辺を高値に、ロンドン序盤には187.36近辺まで下押しされた。その後も安値圏で推移している。ユーロポンドは0.87ちょうど付近から0.8725近辺で上に往って来い。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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