週明けは対欧州通貨でドル安継続、金融スタンスの差異に敏感 ユーロ円は年初来高値更新=ロンドン為替概況
週明けは対欧州通貨でドル安継続、金融スタンスの差異に敏感 ユーロ円は年初来高値更新=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、欧州通貨が堅調。ポンドドルやユーロドルが買われて、ドル指数は先週末から一段と低下している。一方、ドル円は149円台半ばを中心に揉み合いが続いており、値動きが一服。この日はドイツ国債やイタリア国債などの利回りが上昇しており、ユーロドルは1.07台前半から1.0756近辺に高値を伸ばしている。ポンドドルも1.23台後半から1.24台に乗せると、高値を1.2424近辺に更新。一連の欧州非製造業PMIは引き続き冴えない水準となったが、ユーロ売り反応はほとんどみられず。週末にラガルドECB総裁が2025年のインフレ目標達成について強い意思を示したことが影響したようだ。先週末に発表された米雇用統計が弱含んだことを受けて市場では米利上げ打ち止め観測が優勢となっており、週明けもドル安が継続した。ただ、ドル円は149.50を挟んだ揉み合いに落ち着いており、米国と欧州との金融政策スタンスの差を敏感に感じ取った面も指摘される。ユーロ円やポンド円も堅調。ユーロ円は160.94近辺まで買われて、年初来高値を更新。ポンド円も185.86近辺まで高値を伸ばした。日銀の植田総裁は物価目標2%の達成について「確度が上がってきた」と述べる一方、「年内に物価目標実現を判断できる可能性は低い」と示唆した。日欧などでも金融政策スタンスの差が意識されたようだ。
ドル円は149円台半ばでの取引。週明けの東京朝方につけた149.25近辺を安値に、その後は149円台半ばを中心に推移。ロンドン朝方につけた149.73近辺を高値にその後は一時149.30台まで反落。しかし、米債利回りの低下が一服しており、149.60付近に値動きが落ち着いた。
ユーロドルは1.07台半ばでの取引。東京朝方につけた1.0722近辺を安値に、じり高の動きとなっている。ロンドン序盤には1.0756近辺まで上昇。その後も高止まりしている。独債や伊債利回りの上昇に反応している。一連の欧州非製造業PMIは低水準を維持しているが、特段のユーロ売り反応はみられず。ユーロ円は160.50付近で足固めすると160.94近辺まで買われ、年初来高値を更新した。ただ、対ポンドではややユーロ売りに押されている。
ポンドドルは1.24台前半での取引。1.23台後半での揉み合いを上放れると、1.2424近辺まで高値を伸ばしている。その後も1.24台に高止まりしている。ポンド円は185円ちょうど付近で足固めしたあと、高値を185.86近辺に伸ばしている。ユーロポンドは0.8680付近が重く、足元では0.8650台へと軟化している。ポンド買いとユーロ買いが目立つなかで、ややポンド買いが優勢。ただ、目立ったポンド買い材料はみられていない。英建設業PMIは前回から改善も、市場予想には届かずだった。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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