ドル円は149円台後半で変わらず 米国債利回りの上げは一服=NY為替概況
ドル円は149円台後半で変わらず 米国債利回りの上げは一服=NY為替概況
きょうのNY為替市場でドル円はやや戻り売りが出て、一時149.80円付近に値を落とす場面が見られた。本日は米国債利回りが下げており、米10年債も一時4.90%付近に戻す中で、ドル円も戻り売りが出た模様。150円手前での振幅を続けていたが、150円をトライする動きは依然として出ず、週末ということもあり、短期筋の見切り売りが若干出ている可能性もありそうだ。ただ、直ぐに元の位置に戻している。
一方、下押す気配もないことから、なお150円攻めのチャンスをうかがっているようだが、そのきっかけを掴めないでいる。上値での介入警戒感は引き続きあるものの、財務省の介入が正当化されるほど円相場のボラティリティは高まってはいない。
前日はパウエルFRB議長の講演に為替市場も上下動していたが、議長は次回FOMCでの利上げの可能性は排除していたように思われるが、追加利上げの可能性は温存している印象。足元のインフレや雇用情勢は決して満足のいく状況にはなっていないが、米国債利回りが急上昇しており、それが利上げと同様の効果をもたらしていることから、現時点での追加利上げは慎重に考えているのかもしれない。ウクライナのほか、中東情勢が緊迫化しており、地政学的リスクの不確定要素も多い。
ユーロドルは買い戻しが見られ、1.06ドル付近まで一時上昇した。本日の21日線が1.0560ドル付近に来ているが、その水準を再び上回っている。ユーロドルは10月以降、買い戻しが見られ、リバウンド相場の様相も見せているが、上値が依然重い印象は否めず、下げトレンドの中の自律反発の域は出ていない。
ECBは来週に理事会を開催するが、金利は据え置きが確実視されている。ただ、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)下で購入した国債の再投資縮小について議論を開始する可能性は高い。しかし、最近のユーロ債利回りのスプレッド拡大から、ECBはそれには慎重だとも言われている。妥協案として、開始は早いが期間は長期に渡るとも指摘されているようだが、それでも議論が始まれば、ドイツとイタリア債の利回り格差は拡大する可能性があるという。
ポンドドルはも買い戻しが膨らみ、1.21ドル台半ばまで戻している。ただ、本日の21日線が1.2185ドル付近に来ているが、その水準の下での推移は続いている状況。
ロンドン時間に9月の英小売売上高が発表になっていたが、予想以上の減少となった。金利上昇で消費者の財布の紐が固くなっていることが示唆されている。米個人消費の憂慮すべき落ち込みを示し、英景気後退の見通しを英中銀に再び突きつけた格好となった。11月の利上げの可能性はますます低くなったようだ。食料品店の売上高が僅かに増加した以外は広範囲に減少した。
*英小売売上高(9月)15:00
結果 -0.9%
予想 -0.2% 前回 0.4%(前月比)
結果 -1.0%
予想 -0.2% 前回 -1.3%(-1.4%から修正)(前年比)
結果 -1.0%
予想 -0.4% 前回 0.6%(除自動車燃料・前月比)
結果 -1.2%
予想 -0.4% 前回 -1.3%(-1.4%から修正)(除自動車燃料・前年比)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。