ドル円は140円台に下落 明日のFOMC待ちの中で調整の動きも=NY為替概況
ドル円は140円台に下落 明日のFOMC待ちの中で調整の動きも=NY為替概況
きょうのNY為替市場でドル円は戻り売りに押され、140円台に値を落とした。全体的には明日のFOMCの結果待ちといった雰囲気だが、その中でここ数日のドル買い戻しの調整が出ているものと思われる。
明日のFOMCは0.25%ポイントの利上げが確実視されているものの、市場はそれを完全に織り込んでおり、次回9月FOMCのヒントが何か出るか注目している。パウエル議長はあと2回の利上げの可能性を強調しており、その姿勢に変化はないとの見方も出ている。ただし、9月については、あと2カ月分のデータを確認できることもあり、今回はオープンにして置くものとも見られている。
そのような中、FOMCでの利上げ後もドルは堅調を維持するとの見方も出ているようだ。今週はFOMC以外にもECB、日銀がそれぞれ金融政策の決定を行うが、FRBとECBは0.25%ポイントの利上げが予想され、日銀はハト派姿勢を維持すると予想されている。
金融システムはいまのところ安定しており、長期インフレ期待も依然トレンドを上回っていることから、大きなショックでもない限り、FRBは長期間、高金利の制限的な状態を維持すると見られている。そのため、年内に利上げサイクルを終了したとしても、ドルは堅調を維持するという。
ユーロドルはやや戻り売りに押されているものの、1.10ドル台は維持している。本日のユーロドルは一時1.1020ドル付近まで下落し、21日線を一時下回った。下値警戒感も高まる中、明日のFOMCを受けて1.10ドルを割り込む展開となるか警戒される。
今週はECB理事会も予定されている。利上げは確実と見られている中で市場の注目は9月の動向。短期金融市場ではいまのところ、9月の利上げ確率は半々と見ている。ただ、9月に利上げが実施されたとしても、それが今回の利上げサイクルにおける最後の利上げとなり、中銀預金金利は4.00%になると見られている。注目はECBがその金利水準を長く維持するかどうかであり、来年の下半期までは利下げは行われないとの見方も出ているようだ。
ポンドドルはNY時間に入って買い戻しが膨らみ、1.2865ドル付近まで戻す展開。きょうは2020年3月以来の長い連敗を止めようとしている。本日の21日線は1.28ドル台半ばに来ているが、その水準を回復しており、1.28ドルで一旦下げ止まっているようだ。
前日発表の英PMIを受けて市場では、来週の英中銀金融政策委員会(MPC)での大幅利上げへの期待が後退している。タカ派的ではない政策更新のリスクが高まったとの声も一部から出ているようだ。
現在、短期金融市場では0.25%ポイントの利上げは確実視されているものの、0.50%ポイントの大幅利上げについては44%程度の確率で見ている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。