ややドル高もハウエル証言待ちで値動き鈍い、ポンドは上昇後に下落に転じる=ロンドン為替概況
ややドル高もハウエル証言待ちで値動き鈍い、ポンドは上昇後に下落に転じる=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ややドル高の動き。ただ、このあとのパウエル米FRB議長の議会証言を控えて、値動きは限定的となっている。ドル円は東京市場からの上昇の流れを受けて142.17近辺まで買われたが、その後は141.70付近まで反落と値動きは一服。植田日銀総裁は全国信用金庫大会でのあいさつで「経済物価金融情勢に機動的に対応、粘り強く金融緩和」との発言内容を繰り返しており、日米金利格差拡大観測に基づく円安の流れには特段の変化はみられていない。ポンドドルがドル高の動きをけん引している。この日発表された5月英消費者物価指数は前年比+8.7%と鈍化することなく高水準を維持。コア指数は前年比+7.1%と前回から伸びが加速した。発表時には1.2802近辺まで買われたが、その後は売りに押されている。ロンドン午前に1.2691近辺まで反落。市場では明日の英中銀の25bp利上げを織り込んでおり、一部には50bpとの観測も聞かれているが、ポジション調整圧力が勝ったようだ。ポンドは対円でも181円台から一時180円台割れ、対ユーロでもポンド売りが優勢になっている。ユーロ相場は小動き。対ドルでは1.0910-30レベルでの小幅の振幅。対円では154円台半ばから155.35近辺までの往来相場となっている。カジミール・スロバキア中銀総裁は9月の金利動向についての明言を避けた。独Ifo経済見通しでは、今年のドイツ成長予測を-0.1%から-0.4%へと引き下げた。
ドル円は141円台後半での取引。東京市場では141円台前半から後半へと堅調に推移。その流れを受けてロンドン序盤には142円台乗せから高値を142.17近辺まで伸ばした。ロンドン勢の本格参入後は買いが一服して141.70付近へと押し戻されている。米債利回りの上下動に反応しているが、パウエル証言待ちで全般的に方向感に欠ける状況となっている。
ユーロドルは1.09台前半での取引。ロンドン朝方に1.0906近辺まで売られ、その後は1.0934近辺まで買われている。ただ、前日NY市場からのレンジ内にとどまる小動きとなっている。ユーロ円はドル円とともに上下動。154円台半ばから155円台前半で上に往って来いとなっている。全般的には円安の動きが優勢。対ポンドではややユーロ売りが入ったが、その後はユーロ買いの動きが優勢になっている。
ポンドドルは1.27台前半での取引。朝方の英消費者物価指数の上振れを受けて1.2802近辺まで買われたが、すぐに売りに押されている。ロンドン市場では1.2691近辺まで安値を広げた。ポンド円は181円台乗せから181.50付近へと買われたあとは、売りが強まって一時180円台割れまで下落。足元では180円台前半で推移している。ユーロポンドは0.8550付近での揉み合いから一時0.8525近辺まで下落したが、その後は買いが強まり高値を0.86ちょうど付近まで伸ばした。英消費者物価指数の結果を受けて明日の英MPCに対する市場のタカ派見通しが広がっているが、為替市場でのポンド買いは一時的にとどまった。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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