円高・ドル高の動き、中国経済不透明感がロンドン時間も影落とす=ロンドン為替概況
円高・ドル高の動き、中国経済不透明感がロンドン時間も影落とす=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、円高・ドル高の動きが優勢。この日は中国金融当局がLPRを引き下げたが、市場では特に5年物の引き下げ幅が不十分であるとしてリスク警戒の動きを招来している。香港・上海株の下落に続いて米株先物・時間外取引や欧州株も軟調な推移。主要国の債券利回りが低下、米10年債利回りは3.76%台で取引されている。ドル円は142円台に乗せる場面があったが、ロンドン時間に入ると売りに押されて141.36近辺に安値を広げている。クロス円も東京午後には買いが優勢だったが、下落に転じている。特にポンド円が軟調で、181円台後半から180円台半ば割れへと下押しされている。ポンドは対ユーロでも軟調。あすには英消費者物価指数が発表され、明後日には英金融政策委員会(MPC)の結果が発表される。インフレは前回からは鈍化見込みだが、コアインフレは横ばい予想となっている。MPCでは25bp利上げが確実視されている。ただ、足元の短期金融市場では英中銀のピーク金利が6%に達する確率が50%に後退しているようだ。一時は90%まで高まっていた。きょうはこれまでのポンド買いにポジション調整が入っている。ポンドドルは1.28台に一時乗せたあとは1.2750台まで反落。ユーロ相場は対ポンドで買われている分、底堅い。ユーロドルは1.09台前半で一時高値を1.0946近辺に伸ばした。ユーロ円は155円台割れと軟調だが、下げは154.50付近までにとどまっている。レーン・フィンランド中銀総裁は、エネルギーと食品を除くインフレ率は徐々にしか低下していない、とコアインフレの鈍化が遅々としている点を指摘した。
ドル円は141円台前半での取引。東京市場で141円台後半から142円台前半で振幅したあと、ロンドン時間には売りが強まっている。足元では141.36近辺まで安値を広げている。欧州株や米株先物の軟調な動きとともに、米10年債利回りが3.76%付近へと低下している。
ユーロドルは1.09台前半での取引。1.09台前半での揉み合いのなか、ロンドン序盤には上値を試して1.0946近辺まで買われた。その後は買い一服となっている。ユーロ円は155.38近辺まで買われたあとは、売りに押されている。足元では154.50付近へと軟化している。対ポンドではユーロ買いが優勢。これまでのポンド買い・ユーロ売りポジションに調整が入っている。
ポンドドルは1.27台半ばでの取引。朝方に1.28台に乗せたが、すぐに売りに転じている。足元では1.2750台へと下押しされている。ポンド円は181円台半ばで売買が交錯した後、下放れている。180.50割れから180.30台へと安値を広げている。ユーロポンドは0.85台前半から後半へと上昇。あすには英消費者物価指数の発表、明後日には英中銀金融政策発表をイベントが続く予定。そのなかで、足元の短期金融市場では英中銀のピーク金利が6%に達する確率が50%に後退しているようだ。一時は90%まで高まっていた。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。