円安が再び進行、ドル円一時141.40近辺、植田日銀総裁会見で=ロンドン為替概況
円安が再び進行、ドル円一時141.40近辺、植田日銀総裁会見で=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、円安が再び進行している。この日の日銀決定会合では政策金利据え置きとともに、YCCを始めとした緩和策の維持が発表された。海外勢などの一部には政策修正期待もあったもようで、円売りに反応した経緯がある。続く植田日銀総裁会見では緩和継続の必要性が丁寧に説明され、ドル円は再び141円台に乗せると高値を141.40近辺に更新した。しかし、前日海外市場でつけた141.50レベルには届かず調整売りに140.80近辺まで反落。その後、ふたたび141円付近へと底堅い値動きとなっている。東京市場からの上昇の流れを受けてクロス円も堅調。ユーロ円は154.70付近、ポンド円は180.85付近、豪ドル円は97.26付近に高値を伸ばした。前日の米株高を受けてきょうも欧州株も堅調に推移しており、リスク選好の円売りも加わったもよう。今週は米FOMCやECB理事会で今後の利上げ継続が示唆され、特にECBの追加利上げ姿勢が強かったようだ。前日にECB理事会を終えて、きょうはタカ派のECBメンバーらが7月に加えて、9月の利上げの可能性も指摘していた。ただ、ユーロドルは1.09台半ば、ポンドドルは1.28付近など前日からの高値水準で売買が交錯しており、比較的小幅の値動きが続いている。
ドル円は141円付近での取引。東京午前に139.85近辺まで下押しされたあとは堅調な流れに転じている。日銀の大規模緩和政策の維持、植田日銀総裁の強い緩和継続姿勢を受けて円安が進行し、ロンドン序盤には141.40近辺まで高値を伸ばした。ただ、前日海外市場でつけた141.50近辺には届かず140.80付近まで一時反落。その後は値動きが落ち着いた。
ユーロドルは1.09台半ばでの取引。前日のECB理事会を受けて1.08台前半から1.09台半ばへと大きく上昇していた。その後も東京市場を通して高止まり状態となった。ロンドン朝方に1.0962近辺まで高値を小幅に更新も、一段の値動きはみられず揉み合い商状が続いている。昨日はラガルドECB総裁が7月利上げを明言していたが、きょうはナーゲル、ホルツマン、ウンシュなどタカ派メンバーらが9月利上げの可能性も指摘していた。ユーロ円はドル円の値動きとともに上昇。一時154.72近辺まで高値を伸ばした。その後は154円手前まで調整が入ったが、大台割れには至らず底堅く推移している。対ポンドでは揉み合い。
ポンドドルは1.28付近での取引。ユーロドルとともに前日海外市場で1.26台半ばから1.28台後半へと買われた経緯がある。東京市場では高値付近で揉み合いが続いた後、ロンドン朝方には1.2818近辺まで買われた。その後は1.27台後半から1.28付近での高値圏揉み合いとなっている。ポンド円はドル円とともに買われ、ロンドン序盤に180.85近辺に高値を伸ばした。その後の調整売りでは180円台が維持されている。ユーロポンドは0.8550付近から0.8565付近での揉み合いが続いている。来週は英中銀が政策金利を発表する。25bp利上げ見通しが優勢であるほか、市場では今後あと100bp程度の大幅利上げを織り込む動きもみられている。ECB以上にインフレ対応に苦慮する面があり、来週もポンド買い・円売りが継続する可能性が指摘される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。