米消費者物価指数発表控えてドル売り優勢、ドル円は139円台半ば膠着も=ロンドン為替概況
米消費者物価指数発表控えてドル売り優勢、ドル円は139円台半ば膠着も=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル売りが優勢。米消費者物価指数の発表を控えて、インフレ鈍化見通しが優勢になっている。ロンドン朝方はポンド買いが先行。一連の英雇用統計が予想以上に強含んだことに反応した。7月に退任するテンレイロ英中銀委員の後任となるグリーン氏の議会証言が行われ、持続的インフレに警戒感を示していた。ポンドドルは1.25台前半から後半へと買われ、ドル売り圧力につながった面があった。ユーロドルも連れ高となるなか、6月の独ZEW景況感指数が発表され、-8.5と予想外に改善したことがユーロ買いにつながる面もあった。ユーロドルは1.07台後半から一時1.08台乗せへと買われた。ただ、現状指数は悪化し、期待指数もマイナス圏のまま。ZEWは専門家が今年後半の経済状況改善を予想していないこと意味すると慎重な見方を示した。中国が広範囲で景気刺激策を検討との報道があり、欧州株は買いが先行。クロス円を押し上げた面があった。ユーロ円は150円台前半から後半へ、ポンド円は強い英雇用統計で175円台乗せとなった後も小幅に高値を伸ばした。そのなかで、ドル円は139.50付近での揉み合いを続けている。米債利回りとともに米消費者物価指数待ちの構えとなっている。
ドル円は139円台半ばでの取引。東京市場で139.33から139.67までのレンジを形成したあとは、値動きが収束している。ロンドン時間には米10年債利回りの動きも乏しく、米消費者物価指数待ちの状況となっている。
ユーロドルは1.08付近での取引。東京市場からの堅調な動きを受けてロンドン序盤には1.0810近辺まで高値を伸ばした。5月23日以来の高値水準となっている。ユーロ円も堅調で、ロンドン序盤に150.85近辺に高値を伸ばし、その後も150円台後半に高止まりしている。対ポンドではややユーロは上値が抑えられている。米消費者物価指数の伸び鈍化が見込まれるなかで、今週の米FOMCでは利上げ一時停止見通し。一方で、ECB理事会では追加利上げ観測が定着している。
ポンドドルは1.25台後半での取引。朝方に発表された一連の英雇用統計が強かったことでポンド買いが強まった。1.2530付近から1.2560台へと上伸。その後も高止まりするなかで、一時1.2577近辺に高値を伸ばした。ポンド円も一気に175円台乗せとなったあと、高値を175.47近辺まで伸ばしている。予想外に強い英雇用統計が市場での英中銀の追加利上げ期待を高めている。また、7月で退任するテンレイロ英中銀委員はハト派で知られているが、きょう実施された後任のグリーン氏の議会証言では持続的インフレに対する対応が強調されていた。ユーロポンドは0.86台では上値が重くなり、0.85台へと押し戻されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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