ドル売り優勢、材料難のなかで米FOMCが意識されたか=ロンドン為替概況
ドル売り優勢、材料難のなかで米FOMCが意識されたか=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル売りが優勢。週明けの欧州株が堅調に取引を開始するなかで、円売りとドル売りが併存する形で取引をスタートした。クロス円の上昇が先行し、ユーロ円は150円台乗せから150.35近辺に、ポンド円は175円台半ば超えから175.77近辺に、豪ドル円は94円台前半で高値を94.42近辺へと伸ばした。しかし、円売りは続かず。欧州株や米株先物が次第に上げを消すと米債利回りも反落、円買いとドル売りが交錯する形に流れが変化している。ドル円は139.60台で上値を抑えられると139.07近辺まで安値を広げた。ユーロ円は一時149.70台、ポンド円は175円台割れ、豪ドル円は94.10台へと押し戻された。この日は手掛かりとなる経済統計発表に欠けており週央の米FOMCでの利上げ休止観測が意識された面があったようだ。また、ハスケル英中銀委員が複数回の追加利上げの可能性を示唆したほか、週末にはハト派のテンレイロ委員の後任によりタカ派色の強いとみられるグリーン氏が指名されるとの報道もあった。しかし、この日はユーロ買い・ポンド売りが優勢になっており、イベントを控えて調整色が色濃かったようだ。トルコリラは再び最安値を更新。ドル安地合いでもリラ買い方向には動いていない。
ドル円は139円台前半での取引。ロンドン序盤には139.63近辺まで買われたが、東京午前の高値には届かず。欧州株高や米債利回り上昇局面での値動きは限定的だった。その後、欧州株が上げを消し、米債利回りも低下するとドル円は139円台半ば割れから139.07近辺まで下押しされている。円高方向への反応が大きかった。
ユーロドルは1.07台後半での取引。ロンドン序盤から買いが先行し、1.0750付近から高値を1.0790近辺まで伸ばした。その後の調整も浅く1.0770付近にとどまっている。ユーロ円は上に往って来い。序盤の買いで150.35近辺に高値を伸ばしたあとは、149.70台まで反落。足元では150円付近で推移している。対ポンドではユーロ買いが優勢だが、特段のユーロ買い材料はみられず先週末の値動きの調整にとどまっている。
ポンドドルは1.25台後半での取引。序盤に1.2599近辺まで買われたが、1.26台には届かず。その後は1.2570付近へと押し戻されている。ポンド円は175.77近辺に高値を伸ばしたあとは反落。一時175円台割れとなった。ユーロポンドがじり高となっており、0.8540台から0.8570付近へと買われている。ハスケル英中銀委員が複数回の追加利上げの可能性を指摘するなどタカ派発言が報じられたが、ポンド買いには反応しなかった。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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