ドル買いは一服も円安がドル円をサポート=NY為替概況
ドル買いは一服も円安がドル円をサポート=NY為替概況
きょうのNY為替市場、先週末のドル買いは一服しているものの円安の動きがドル円をサポートしており、136円ちょうど付近で推移した。朝方発表になったNY連銀景気指数が予想を大幅に下回ったことでドル売りが強まり、ドル円も一時135円台に値を落としたものの、売り一巡後は直ぐに戻している。200日線が137.05円付近に来ているが、その水準を再び試しに行くか注目の展開が見られている。
米債務上限問題でバイデン大統領と共和党が妥協点を見い出せるのではとの楽観的な雰囲気が市場に広がっているようだ。大統領は先週末に、「デフォルト(債務不履行)を回避するための交渉は進んでおり、交渉担当者は数日のうちに理解をより深めるだろう」と語っていた。大統領とマッカーシー下院議長(共和)らの議会指導者が16日にも再度会談する予定。
この債務上限問題は定期的に訪れるイベントで、昨年の中間選挙を受けてねじれ議会になった時点からこの問題はクローズアップされていた。市場も慣れっこになっているのか、以前のオバマ政権時代に政府機関が一時閉鎖になった時ほどの動揺はない印象。
それ以上にバイデン大統領が共和党が要求している歳出削減をどこまで呑むのかを警戒している向きも少なくない。歳出削減が大きいようであれば、景気に影響しかねないと考えているようだ。
ユーロドルは買い戻しが出ており、1.08ドル台後半に戻した。ただ、21日線を下放れる展開は続いており、次第に1.10ドル水準が遠ざかっているようだ。市場からは、テクニカル的に4月高値の1.1095ドル付近でひとまずピークを迎えた可能性があるとの指摘が出ている。
先週金曜日の下落で22年9月と23年3月の安値を結んだ下値トレンドラインを割り込んでおり、少なくとも来月以降、1.1095ドルが再び視野に入ってくる可能性は低いという。昨年9月以降の上昇トレンドの大逆転を予想するのは時期尚早だが、今後2カ月間のリスクは下向きに傾いているように見えると述べた。
ポンドドルも買い戻しが出て1.25ドル台を回復。本日の21日線が1.2505ドル付近に来ているが、その水準を回復している。先週の英中銀金融政策委員会(MPC)を受けて市場は英中銀の追加利上げへの期待を高めている。あと2回との声も出ており、短期金融市場では次回6月MPCでの0.25%ポイントの利上げを85%程度織り込む動きが出ている。
ただ、今後発表になるデータ次第では、市場は6月利上げの可能性を後退させる可能性もあるという。明日は英雇用統計の発表が予定されている。英中銀は、次の政策決定は賃金とインフレに大きく左右されると強調していることもあり、予想を大きく下回る内容であれば、利上げの織り込み度合いを高めている分、ポンドは非常に敏感に反応する可能性があるという。
いまのところ、週平均賃金(除賞与)は前回よりも高い前年比6.8%の上昇が予想されている。
*英雇用統計(1-3月平均)16日15:00
ILO失業率
予想 3.8% 前回 3.8%
週平均賃金(除賞与)
予想 6.8% 前回 6.6%(前年比)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。