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ドル円は133円台で上下動 ファースト・リパブリックの報道に錯綜 全体的にはドル売り=NY為替概況

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ドル円は133円台で上下動 ファースト・リパブリックの報道に錯綜 全体的にはドル売り=NY為替概況

 きょうのドル円はNY時間に入って133円台で激しく上下動した。懸念が伝えられているファースト・リパブリックに関する報道で米国債利回り伴に錯綜したようだ。同銀の救済計画の一環としてアドバイザーが、新株の買い手候補を揃えたと報じられたことや、FRB貸出へのアクセスが制限される可能性があるとも伝わった。

 しかし、全体的にはドル売りの動きがドル円の上値を抑えている。前日発表の米大手IT企業の決算で、市場に安心感が広がっており、米株式市場も警戒感を一服させる中で、リスク選好のドル売りが出ている模様。

 なお、FRBについても何も変化はなく、来週のFOMCでの0.25%ポイントの利上げをほぼ確実視している一方、一部で出ている6月利上げについてはまだ未知数で、可能性を低く見積もっている。

 一部からは米債務上限問題がドルの上値を圧迫しているとの指摘も出ている。共和党のマッカーシー下院議長は債務上限引き上げと歳出削減をセットにした法案を本日中にも採決する計画を推し進めている。債務上限を現行の31.4兆ドルから最大1.5兆ドル引き上げる代わりに、4.5兆ドルの歳出削減を行う内容。しかし、民主党やバイデン政権の反対はもちろん、同じ共和党内からも反対が出ている。

 それに対してマッカーシー下院議長は一晩で法案を修正し、共和党議員の説得にあたっており、本日中にも下院本会議で法案を採決する可能性があるとも伝わった。ただ、民主党が多数派を占める上院では否決されそうで、バイデン大統領も拒否権発動を示唆しており、法案成立の可能性は低いと見られている。

 ユーロドルは一時1.10ドル台後半まで上昇し、1.11ドル台をうかがう場面も見られた。21日線の上をしっかりと堅持しており、上昇トレンドが続いている。ECBの利上げ期待が下値をサポートしているようだ。

 市場では来週5月4日のECB理事会での利上げは確実視しているものの、0.25%か0.50%ポイントかで、なお見方が分かれている。その意味では理事会の前々日の5月2日に発表される4月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が重要なポイントになるのかもしれない。

 市場からは、上振れサプライズがあれば、ECBは0.50%ポイントの大幅利上げに傾く可能性があるとの指摘が出ている。基本シナリオは0.25%ポイントの利上げではあるが、可能性は十分にあるという。ここ数日で再び高まった銀行セクターの懸念がより大きなものに発展しない限りは、大幅利上げの可能性は十分にあるという。

 なお、短期金融市場では25%程度の可能性で大幅利上げを織り込んでいる。

 ポンドドルは一時1.25ドル台を回復する場面も見られた。ポンドドルは次第に上値が重くなって来ている印象もあるが、いまのところ21日線の上をしっかりと堅持しており、上昇トレンドは続いている。

 一部のエコノミストの間では、英インフレがクリスマスまでに3%程度まで低下すると予想されている。それには3つの理由がある。1つ目は、家庭用のエネルギー料金がこれ以上は上昇せず、恐らく7月以降も低下が続くことが予想される点。

 2つ目は、昨年の大半はポンド安もインフレを助長し、昨年9月にはトラス前政権のクワーテング前財務相の予算案公表後にはポンド安が急速に加速していた。しかし、トラス政権が短命で終了後はポンド高が進んでいる。そして、3つ目は、パンデミックで膨れ上がった学生数が社会人になる夏以降、賃金インフレの鈍化が期待できるといった点が挙げられるという。

 しかし、これは英中銀が追加利上げを行うことを妨げるものではないとも指摘している。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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