為替相場まとめ4月10日から4月14日の週
10日からの週は、ドル売りが進行した。注目の米インフレ指標が鈍化したことが背景。消費者物価指数ではコア指数が高止まりも、総合指数が予想以上に低下した。続く生産者物価指数も予想以上に伸びが鈍化しており、市場では米債利回り低下とともにドル売り圧力が強まった。ただ、5月FOMCについては引き続き25bp利上げ観測が優勢で、今後の利上げ停止や、年内の利下げ開始観測が高まった格好となった。ユーロドルは1.08台から節目の1.10台に乗せ、ポンドドルも1.23台から1.25台に乗せておりいずれも年初来高値を更新した。ユーロにとってはECBの利上げ継続姿勢が、ポンドにとっては英経済のリセッション回避の見方が強まったことで追加利上げ観測が再燃、側面からドル安の動きにつながっていた。ドル円は134円付近から一時132円付近に軟化した。上値重く推移したが、クロス円の上昇もあって下落の矛先はやや鈍かった。株式市場の堅調や、上田日銀新体制での緩和継続姿勢などが円売りにつながっていた。ユーロ円は144円台から146円台へ、ポンド円は164円台から166円台まで買われた。
(10日)
東京市場は、円売りが優勢。週明けは、イースターマンデーでオセアニア市場や、香港市場が休場。この後も、欧州、英国市場などが休場となり取引参加者が少ない状況となっている。ドル円は朝方に131.80台まで軟化したが、その後は一転して買われた。午後には132.80台まで高値を伸ばした。ゴトー日ということで仲値関連でのドル買いが入ったことや、日経平均が堅調となるなどリスク警戒後退がドル円を支えた。米債利回りはやや低下傾向も、影響は限定的。ユーロドルは1.09ちょうど前後での推移が続き、動意薄だった。
ロンドン市場は、イースターマンデーのため休場。
NY市場では、ドル買いが強まった。ドル円は一時133円台後半に上昇。日銀の植田新総裁がYCC(イールドカーブコントロール)とマイナス金利の維持を表明したことが、ドル円の買いにつながったようだ。また、先週末の米雇用統計で失業率が予想外に低下したことなどを受けて市場では5月FOMCでの利上げ期待を高めている。先週までは、利上げはすでに打ち止めとの観測も出ていたが、米地区連銀総裁などFOMC委員からは、もう少し利上げが必要との認識が繰り返し示されていた。ユーロドルは1.09台から1.08台前半まで一時下落。ポンドドルは一時1.23台半ばまで値を落とした。
(11日)
東京市場は、前日のドル買いの動きが一服。ドル円は133円台を維持しつつも、133円台後半から前半へと反落している。午後には133.23近辺に安値を広げた。ユーロドルは前日海外市場での下落の反動でじり高の動き。1.0850付近から1.0890台へと買われた。ユーロ円は145円台割れ水準から145.40近辺へと小高く推移した。
ロンドン市場では、ドルが軟調。明日の米消費者物価指数を控えて調整の動きが入っている。米債利回りの低下とともにドル相場にも調整圧力が働いている。米10年債利回りは3.42%付近から3.38%付近へと低下。ドル円は133.50付近から一時133円台割れまで下押し。ユーロドルは1.08台後半から1.09台前半へ、ポンドドルは1.24台前半から半ばへと上昇。クロス円は方向感に欠ける動き。ユーロ円は145円付近から145.50手前水準で、ポンド円は165円台前半から後半での揉み合いが続いている。2月ユーロ圏小売売上高は前月比、前年比ともにマイナスの数字と冴えない結果だったが、特段のユーロ売り反応はみられなかった。
NY市場は、方向性に欠ける値動き。ドル円は133円台前半から133.80付近へと再び上昇。、米株がしっかりと推移したほか、米国債利回りもプラス圏を維持する中、ドル円は後半になって買い戻しが膨らんだ。ユーロドルは東京市場でのじり高の流れを受けて、1.09台を回復した。市場からは、ドイツ経済に対する楽観的な見方が相次いで出ている。先週は2月のドイツ鉱工業生産が発表になっていたが、それを受けてエコノミストからは、ドイツ製造業は年明けに回復し、それによって、同国の成長見通しをより楽観視できるようになったとの指摘が出ている。ポンドドルは1.2410付近に反落したあとは1.24台前半で下げ渋り。ユーロ対ポンドではユーロ買いが優勢だった。一部からは、英中銀が利上げサイクルを一時停止するとの見通しがでていた。
(12日)
東京市場は、ドル円が一時134円台に乗せた。日経平均の力強い動きなどが支えとなっていた。その後は米消費者物価指数発表を控えていることもあって、利益確定の売りなどに少し調整が入っている。ユーロドルは1.09台での推移。月曜日のドル高局面で1.08台前半を付けたユーロドルは、その後じりじりと上昇。昨日の海外市場でも堅調な動きを見せると、東京市場に入っても流れが変わらず。午後に入って海外市場の高値を超えて1.0937近辺まで買われた。ドル円が堅調な動きを見せる中、対ドルでのユーロ買いもあり、ユーロ円は146.30台まで上昇。株高の動きが円売りを誘った面も見られた。ポンド円が166.50超えを付けるなど、円安の動きが目立った。
ロンドン市場は、揉み合い商状が続いている。米消費者物価指数の結果を見極めたいとのムードが広がっている。欧州株が堅調、米株先物は時間外取引で高安まちまち。米10年債利回りは上昇。ドル円は他市場の動向には目立った反応をみせず、東京昼過ぎに134.05近辺まで買われたあとは133円台後半での取引に終始している。ユーロドルは1.0911-1.0937までの狭いレンジ取引。欧州株高の割には円安の動きはほとんどみられず、ユーロ円は146円ちょうど付近から146円台前半での揉み合い。ポンド相場は対ユーロでの売り圧力が続いており、上値が重い。ポンドドルは1.2440台から1.24ちょうど近辺へと軟化、ポンド円は166.50台から165.80付近へと軟化している。ポンド売りに関して、特段の新規材料はみられていないが、英欧中銀の利上げ余力について市場の見方に差異があることが指摘されている。
NY市場では、ドル売りが強まった。この日発表の3月の米消費者物価指数にドル売りの反応を見せている。総合指数は前年比+5.0%とエネルギー価格の低下でインフレの鈍化傾向を示した。一方、コアインフレは前年比+5.6%に上昇、依然として鈍化傾向までは見られていない。先週の米雇用統計と今回の米CPI結果から、短期金融市場では5月FOMCでの25bpの利上げの確率を70%以上で見ているものの、同時に利上げ停止および年内の利下げへの期待も高めたようだ。今回の数字は先行きのインフレ鈍化の兆候も示したが、サービスセクターでの根強いインフレを浮き彫りにしており、FRBは少なくともあと1回は利上げを実施する可能性が高いとの指摘も聞かれる。発表直後にはドル円が133円台後半から132円台後半まで急落。ユーロドルは買いが加速し、心理的節目の1.10ちょうどを付ける場面があった。ポンドドルも1.24台後半に上昇。NY後半にはドル売りは一服したが、米CPI発表前のドル高水準には戻り切れず。
(13日)
東京市場は、落ち着いた値動き。ドル円は東京朝方に北朝鮮が弾道ミサイルを発射したとの報道を受けてリスク回避の円買いが入り、一時133円割れに沈んだ。しかし、影響は限定的で、午後にかけては米債利回りの上昇を背景に133.36近辺まで強含んだ。ユーロドルは昨日のドル安局面で1.10ちょうど付近をつけたあと、東京序盤では一時1.1005付近まで上昇した。その後は伸び悩み、前日終値を挟んで小動きとなった。ユーロ円は午前に一時146.60付近まで強含む場面があったが、上げは持続せず。午後は146円台前半から半ばで揉み合いとなった。午前に発表された豪雇用統計の好調な結果を受けて上昇した豪ドルは、午後は上げが一服。豪ドル/ドルは0.6721付近まで、豪ドル円は4日以来7営業日ぶりの高値水準となる89.51付近まで上昇したあと、午後はやや押し戻されている。
ロンドン市場は、ドル安と円安の動きが交錯。そのなかで目立ったのがユーロドルの上昇で、1.10台にしっかりと乗せると1.1032近辺まで高値を伸ばし、2月2日の年初来高値水準に並んだ。ポンドドルも堅調で、1.25台乗せから高値を1.2529近辺に更新。昨年6月9日以来の高値水準となった。クロス円も堅調で、ユーロ円は146円台前半から146.90付近へ、ポンド円は166円台前半から166.80台へと上昇している。ユーロ対ポンドではユーロ買いが優勢。ECBの利上げ継続観測が下支えとなっていたようだ。ドル円は下に往って来い。売りが先行して133円台前半から一時132.90近辺まで下押しされたが、その後は133.30近辺へと買い戻されている。ドル売りと円売りが交錯したことでドル円は方向性に欠けた。全般的には昨日の米消費者物価指数発表後のドル安・円安の動きが再燃する格好となっている。欧州株は高安まちまち。米10年債利回りは3.39%付近から3.43%付近へ上昇。
NY市場は、前日の流れを引き継いでドル売りが優勢。朝方発表になった3月の米生産者物価指数(PPI)の伸びが大幅に鈍化したことで、ドル売りの動きが見られた。米PPIは総合、コアとも前月比で予想外の低下となり、パンデミック以降では最大の低下となった。サプライチェーンの正常化やコモディティ価格の下落が背景。ドル円は133円台前半から132円付近まで一時急落。その後は132円台半ばから後半に下げ渋った。米株が底堅く推移、加えて植田日銀新総裁の緩和継続姿勢がドル円を下支えした。ユーロドルは買いが続いており、1.10台を固める動き。一時1.1070ドル付近まで上昇し、年初来高値を更新した。市場では、ECBがよりタカ派な金融政策を取るというコンセンサスが強まっており、短期金融市場では、ECBは9月までに計75bpの利上げを実施する可能性を織り込んでいる。これは3月初旬のSVBの騒動以来初めて。ポンドドルも1.25台に再び乗せると、一時1.2535近辺まで買われ、年初来高値を更新した。本日は2月の英月次GDPが発表され前月比で横ばいとなった。一部からはマイナス成長の予想も出ていたが、それは回避されている。リセッション回避の見方で追加利上げ期待が再燃した。
(14日)
東京市場は、小幅の値動き。ドル円は132円台前半から半ばでの揉み合いとなるなかで、米債利回りの低下が上値を抑えている。ユーロドルは30ポイントの狭いレンジだが、下値がしっかりとした値動き。一時1.1076付近に高値を伸ばし、昨年4月以来およそ1年ぶりの高値水準となっている。ドル指数も約1年ぶりの低水準に。ユーロ円は、ユーロドルの上昇が支えとなり午後に入って146.71近辺にこの日の高値を更新した。前日の米生産者物価指数の下振れを受けたドル売り圧力が継続も、やや模様眺めムードが漂っていた。
ロンドン市場は、ややドルが買い戻されている。ロンドン序盤は、前日からのドル安水準を受けた揉み合いが続いたが、米銀大手JPモルガン決算で純金利収入予想が引き上げられたことを受けて同社株が時間外取引で大幅高、ダウ先物が時間外で上昇に転じ、米債利回りが上昇している。これを受けてドル相場もややドル高方向に動意付いている。ドル円はロンドン序盤に132.20付近に軟化したあと、132.70付近に反発。ユーロドルは東京午前に1.1076近辺に高値を伸ばした後は上値が重くなり、足元では1.1050割れ水準に反落。ポンドドルは東京市場で1.2546近辺まで一段高となったあとは上値重く推移し、ロンドン市場では1.25台割れへと軟化している。クロス円は方向感なく振幅。ユーロ円は146円台で下に往って来い。ポンド円は166円台前半から一時165.40台まで下落、その後は166円手前までの反発となっている。欧州株はプラス圏での揉み合い、NY原油先物は一時82ドル割れも82ドル台半ばへと下げ渋り。ボスティック・アトランタ連銀総裁は「最近の動向はもう1回の利上げを行うことと矛盾せず」、ラガルドECB総裁は「ユーロ圏のインフレ率は低下が継続する見通し」「基調的なインフレ圧力は依然として強い」などとしたがいずれも市場は反応薄だった。
NY市場はドルの買い戻しが強まり、ドル円は133円台後半まで上げ幅を拡大した。本日の上げで21日線がサポートされ、100日線も再び上回って来ている。依然としてリバウンド相場の可能性を残す値動きではある。
執筆者 : MINKABU PRESS
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