次第にリスク回避の雰囲気が強まる ドル円は130.30円付近まで一時下落=NY為替概況

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次第にリスク回避の雰囲気が強まる ドル円は130.30円付近まで一時下落=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、終盤に入って市場はリスク回避の雰囲気を強めた。ドル円は再び売りを強め、一時130.30円付近まで下落する場面が見られた。ドル売りというよりも円高の動きがドル円を圧迫。要因は米株式市場が失速し下げに転じたことだが、序盤は反発して始まった銀行株に徐々に売りが強まり、市場の雰囲気を圧迫した。
 
 ただ、一時買い戻しも出ていた。イエレン米財務長官の議会証言の事前原稿が伝わり、「正当化されるなら預金保護で追加措置を準備」と述べたことに敏感に反応した模様。「預金の安全性を確保するために強力な措置を講じた。重要な対策ツールを再び使用する可能性がある」とも発言している。

 ドル円は131円付近まで一気に戻したものの上値を抑えられ、再び見切り売りが強まった。イエレン米財務長官のニュースにもかかわらず、米株式市場の戻りが鈍いことから再び売りが強まっている模様。銀行株の下げがきつく、上値が重いことから、買戻しが続かないようだ。 

 前日のFOMCを経て、市場は利上げ停止への期待を高めているが、市場はもう一歩踏み込んでおり、5月に利上げを実施した後は、早ければ7月にも利下げに転じるとのシナリオを織り込む動きが出ている。パウエルFRB議長は前日の会見で年内利下げは否定していたが、今回の金融システムの混乱で地銀中心に融資にブレーキがかかり、それが実体経済を圧迫。インフレや雇用も夏以降は急速に後退して行くと、市場は見ているのかもしれない。

 ユーロドルも後半に失速。ロンドン時間の朝方に1.0930ドル近辺まで上昇する場面も見られたが、NY時間の終盤に1.08ドル台前半まで下落している。

 前日はFOMC、本日は英中銀が政策を発表したが、利上げの一時停止が視野に入りそうな雰囲気が強まっている。英中銀は意外にタカ派な印象ではあったものの、利上げ停止が近いとの市場の見方を大きく変化させるものではない。

 その点、ECBは先週の理事会でガイダンスを見送ったものの、市場では利上げ期待が依然として根強い。金融システムへの懸念が完全に後退すれば、大幅利上げの復活も有り得るとの見方も一部では出ている。現時点で主要中銀の中でECBが最もタカ派色が強いのかもしれない。その意味ではユーロには買い安心があるのかもしれない。

 ポンドドルも伸び悩む動きが出ているものの、きょうは一時1.23ドル台半ばまで上昇する場面が見られた。今年1月の高値である1.24ドル台半ばを突破し、1.25ドルを試す展開になるが注目される。

 本日は英中銀金融政策委員会(MPC)が開催されたが、予想以上にタカ派な印象だったこともポンドの下値をサポートしている。英中銀は予想通りに0.25%ポイント利上げを実施した。市場では前日の英消費者物価指数(CPI)の強さから利上げは確実視されていたが、先行きに対しては慎重姿勢を強調し、利上げ停止の可能性を示唆してくると見られていた。

 しかし、結果は逆となり、追加利上げの可能性に含みを持たせたほか、景気は予想以上に強いと指摘したうえで、成長見通しを上方修正した。2月時点では第2四半期はマイナス成長を予想していたが、若干のプラス成長に上方修正している。一方、インフレについては大幅な上振れがあったが、今後数カ月で急低下するとの見方を変えていない。

 委員の投票行動も、9名のうち7名が引き上げを支持し、2名が据え置きを主張した。この2人は前回も据え置きを主張。金融システムの混乱が景気見通しに変化を与える可能性があるが、いまはインフレ退治を優先課題であることを強調している。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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