日銀会合でのYCC現状維持受けて一気に円売り=東京為替概況
日銀会合でのYCC現状維持受けて一気に円売り=東京為替概況
東京市場朝のドル円は128円10銭前後を付けるなど、やや上値の重い展開で始まった。昨日の海外市場で一時129円台を回復も、日銀金融政策決定会合の結果発表を前に、行き過ぎた調整にも警戒が入り、ドル売り円がとなったNY市場の流れを引き継いだ。日本国債10年利回りが0.50%を超えるなど、YCC再修正に対する期待が見られたことも円買いとなった。
しかし、日銀発表前に一時129円台を付けるなど、その後はドル高円安に。日銀はYCC修正を見送るとの期待が広がっており、円買いに対する慎重姿勢が見られた。もっとも昨日海外市場同様に上値では売りが出て、128円40銭台で日銀金融政策決定会合の結果発表を迎えた。
会合が長引くのではとの期待が一部で出る中、約2年ぶりの速さとなる11時40分ごろ、現状維持が示された。共通担保オペ拡充などの変化は見られたが、YCCは据え置き、必要であれば躊躇なく追加緩和という声明の文言も残された。日銀展望レポートでは経済成長見通しの引き下げがみられたが、23年度の物価見通しが据え置かれるなど、物価については慎重な姿勢が見られた。
市場は発表直後に円売りが一気に広がり130円台を回復。YCC修正を期待していた債券市場での10年債の買い戻し(利回り低下)もあり、131円台半ば超えまで上値を伸ばす形となっている。
クロス円も軒並みの上昇。138円台半ば近くで発表を迎えたユーロ円は直後に140円を超え、141円台後半を付けた。ポンド円は157円60銭前後から161円50銭超えを付けている。
MINKABU PRESS 山岡和雅
執筆者 : MINKABU PRESS
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