【これからの見通し】年明けは円高で始まる、日銀政策変化への思惑で
【これからの見通し】年明けは円高で始まる、日銀政策変化への思惑で
2023年の相場がスタートした。昨日は欧州の一部市場が取引された程度で、動意薄のマーケットとなっていた。きょうからが本格始動となっている。
朝方にはドル円が神経質な上下動をみせた。ニュージーランド市場、東京市場が休場となるなかで、流動性がかなり枯渇していたようだ。ドル円は130.50付近から131.40付近で振幅した。その後はじりじりと値を下げたが、130.50割れでは売りが加速。午後には129.52レベル名で安値を広げている。一気に1円幅で値が飛ぶ状況がみられており、注意が必要だ。
円高が進んだ背景としては、18日の日銀決定会合での政策変更への思惑があるようだ。昨年12月20日には予想外のYCC変動幅拡大が発表され、市場では実質的な利上げとの見方が広がった。出口戦略に向けて始動したとの印象が強まっている。昨年末には一部で日銀がインフレ見通しを引き上げるとの観測記事が流れており、円買い材料となった面もあった。
今週は米FOMC議事録や米雇用統計発表を控えており、ドル相場の面からも変動が高まりやすい状況となっている。議事録では利上げペース鈍化とターミナルレート水準引き上げといるドル相場にとっては強弱両面の議論の内容を確認することとなる。また、雇用統計については現時点での市場予想は非農業部門雇用者数の伸びが20万人程度、失業率が前回並みの3.7%程度となっており、比較的穏当な見方だ。しかし、予想と結果が乖離することも多く、予断は許されないだろう。市場心理がドル円の下方向を指向している局面だけに、両イベント後の値動きには注意が必要だ。
今年のFOMCメンバー入れ替えでは、4人が交代するが、比較的タカ派メンバが多かった昨年から、今年はややハト派色が濃くなるとの見方が流れており、ドル売りを誘う可能性も指摘される。
この後の海外市場で発表される経済指標は、英製造業PMI(確報値)(12月)、ドイツ消費者物価指数(速報)(12月)、米製造業PMI(確報値)(12月)、米建設支出(11月)など。主要な金融当局者の講演イベント予定はない。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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