ドル売りからドル買いへと振れる、英秋季財政報告は想定された内容=ロンドン為替概況
ドル売りからドル買いへと振れる、英秋季財政報告は想定された内容=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、ドル相場が神経質に振幅した。米債利回りの上下動に反応しながら、序盤はドル売り、その後ドル買いへと転じている。この日はハント英財務相が英秋季財政報告(財政計画)を発表。所得税増税、エネルギー会社の過剰な利益に対する大幅課税などが盛り込まれた。ほぼ想定された内容となっている。英OBR(予算責任局)のGDP予測が来年にマイナス1.4%と従来のプラス1.8%から引き下げられたことにポンドは売りの初動反応を示したが、すぐに一服した。ポンドドルは序盤に1.19付近から1.1950台まで上昇。その後は売りに転じると1.18台半ばへ下落。英財政報告で一時1.1802近辺まで一段安も、その後は下げ渋っている。ユーロドルは序盤に1.04台乗せへと買われたあと、売りに押されて1.03台前半へと反落。ドル円は139円台半ばから一時138円台後半まで下落も、その後は140円台をつけるなど反発した。米10年債利回りは3.67%台から3.74%台で上下動しており、上昇の動きが優勢だった。欧州株や米株先物は総じて軟調に推移している。ユーロ圏消費者物価指数・確報値は前年比+10.6%と速報から0.1%ポイント下方修正されたが、過去最高水準であることに変わりなかった。
ドル円は139円台後半での取引。米債利回りの低下とともに138.88近辺まで下落したが、その後は米債利回りが上昇に転じると140.10近辺まで高値を伸ばした。足元では139円台後半に高止まりしている。欧州株や米株先物は軟調に推移しているが、株式動向には反応をみせず、もっぱら米債利回りに連動する動きだった。
ユーロドルは1.03台半ばでの取引。序盤に1.0407近辺まで買われたあとは、売りに転じている。米債利回りの上昇とともに一時1.0328近辺まで下落した。ユーロ円は144円台後半を中心とした振幅。145円手前で上値を抑えられると、一時144.45近辺まで下落。その後はレンジ内で方向感に欠ける動きとなっている。対ポンドでは序盤に売られたあとは、買いが優勢になっている。
ポンドドルは1.18台半ばでの取引。序盤に1.1958近辺まで買われたあとは売りに転換。1.18台半ばへと反落して英財政報告を迎えた。英OBRの来年のGDP予測がマイナス1.4%と従来のプラス1.8%から下方修正されたことに売り反応を示し、一時1.1802近辺まで一段安となった。しかし、増税を盛り込んだ緊縮財政策は事前の想定通りの内容となり、ポンド売りは一服している。ポンド円は166.30台まで買われたあと165.30台まで反落。足元では165円台後半に下げ渋り。ユーロポンドは序盤に0.87台割れまで下落。その後は買いに転じると一時0.8750台まで反発した。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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