英、北アイルランド議定書を書き換え可能にする法案を公表=NY為替
NY時間の終盤に入ってポンドドルは下げ渋る動きを見せているものの、1.21ドル台での推移が続いている。きょうは一時1.2125ドル付近まで下落していた。
ポンドに関してはリセッション(景気後退)のみならず、北アイルランド議定書への警戒感も圧迫している。英政府がきょう、EUとの離脱合意の一部に優先する法案を公表。EUとの貿易戦争に発展するリスクをはらむほか、ジョンソン首相と与党・保守党内の反対派の対立が先鋭化する可能性もある。
同法案は、英国のEU離脱後も北アイルランドをEUの単一市場内に留めることを定めた議定書の大部分について、一方的に英国が書き換えることを可能にする内容。EUとの合意では、北アイルランドと英本土の間の貿易では税関手続きが生じているが、法案が成立すれば、英国は北アイルランド議定書の法的枠組みを破棄し、税関検査や税制、仲裁に関する新規則を定めることができるという。
トラス英外相は、「EUの単一市場を守り、アイルランド島にハードボーダーが設置されないことも確実にする」と述べた。国際法違反の可能性も指摘されているが、英外務省は「国際法にも整合する」と主張している。
これに対してEU側は反発しており、違反手続き検討の意向を示し、EU側の首席交渉官を務める欧州委員会のシェフチョビッチ副委員長(機関間関係・先見性担当)は、北アイルランド議定書の再交渉はしないと会見で語った。
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MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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執筆者 : MINKABU PRESS
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