リスク回避が強まる ウクライナ情勢が緊迫化=米国株後半
NY株式11日(NY時間15:44)
ダウ平均 34706.38(-535.21 -1.52%)
ナスダック 13767.39(-418.25 -2.95%)
CME日経平均先物 26930(大証終比:-770 -2.81%)
きょうのNY株式市場は後半になってリスク回避の雰囲気が強まり、急速に売りを加速させた。エネルギー株を除く全てのセクターに売りが波及。ウクライナ情勢の緊迫化を伝えるニュースが流れている。
ホワイトハウスのサリバン国家安全保障顧問が、ロシアは早ければオリンピック期間中にもウクライナ国内で軍事行動を起こしたり、紛争を引き起こそうとしたりする可能性があると述べた。また、英政府が英国人に対し、ウクライナへのすべての渡航を控えるよう勧告したほか、現在、ウクライナに滞在している英国人は、商業的手段が利用できるうちに今すぐの退避も勧告した。
市場からは、急速な売りで1月26日以来最大の売りのアルゴリズムが作動し、株価を押し下げたとの観測も出ていた。ヘッジファンドがS&P500先物に断続的に売りを入れ、S&P500株価指数は今月初めて200日線を下回ったことから、プログラムが作動したという。200日線を下回る取引が続けば、損失が加速する可能性があるとも指摘している。
ダウ平均は一時561ドル安まで下落したほか、ナスダックも一時3%下落する場面が見られた。
ウクライナ情勢のニュースで原油が急騰したことから、エネルギー株は上昇したものの、そのほかの銀行や産業、IT・ハイテク株といった主要セクターは軒並み売られている。
個別に不動産情報のジロー<Z>が上昇。前日引け後に10-12月期決算(第4四半期)を発表し、売上高が予想を上回った。住宅市場の活発化を反映して、主力の住宅部門が好調だった。「住宅スーパーアプリ」を目指す同社の姿勢は投資家に歓迎されている。
スポーツ用品のアンダーアーマー<UAA>が下落。取引開始前に10-12月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。主力の北米での販売が好調だった。ただ、株価は冴えない反応。サプライチェーンの問題により、春夏シーズンおよびそれ以降に重大な影響が及ぶ可能性があるとの認識を示した。
中小企業向けにユーザ志向のSaaS製品の開発を手掛けるフレッシュワークス<FRSH>が下落。前日引け後に10-12月期決算(第4四半期)を発表し、ガイダンスを含めて全体的に予想を下回る冴えない決算となった。また、同社は昨年9月のIPO時のロックアップ契約で売却を制限していた残りの全株式が月曜日に売却対象となることを明らかにした。
レストランなどの口コミ情報のウェブサイト運営のイェルプ<YELP>が上昇。前日引け後に10-12月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益は予想を下回ったものの、売上高、EBITDAは予想を上回った。
遺伝子解析のイルミナ<ILMN>が下落。前日引け後に10-12月期決算(第4四半期)を発表。同社は1月に暫定決算とガイダンスをすでに発表していたため驚きはなく、むしろ、新製品に関するアップデートに焦点が当てられるという。現在の株価は、グレイル社に対する負の価値を見ているほか、今後の重大な規制事象の発生リスクを示唆しているとの指摘も出ている。
ソフトウエア開発のゼンデスク<ZEN>が上昇。投資会社のコンソーシアムからの1株127ドルー132ドルの全額現金での買収提案を拒否したと発表した。
ジロー<Z> 54.90(+6.11 +12.52%)
フレッシュワークス<FRSH> 18.39(-4.07 -18.12%)
イェルプ<YELP> 35.73(+1.22 +3.52%)
アンダーアーマー<UAA> 17.51(-2.51 -12.52%)
ゼンデスク<ZEN> 115.51(+1.33 +1.16%)
イルミナ<ILMN> 331.60(-26.48 -7.39%)
アップル<AAPL> 168.59(-3.54 -2.05%)
マイクロソフト<MSFT> 295.45(-6.93 -2.29%)
アマゾン<AMZN> 3063.02(-117.05 -3.68%)
アルファベットC<GOOG> 2672.95(-99.10 -3.57%)
テスラ<TSLA> 852.59(-51.96 -5.74%)
メタ・プラットフォームズ<FB> 219.32(-8.75 -3.84%)
AMD<AMD> 112.21(-13.56 -10.78%)
エヌビディア<NVDA> 239.00(-19.24 -7.45%)
ツイッター<TWTR> 35.79(-1.30 -3.49%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。