FX/為替「FOMCを前に神経質な動き」 外為トゥデイ 2022年1月21日号
目次
▼20日(木)の為替相場
(1):予想より良好な豪雇用統計を受けて豪ドル強含み
(2):中国人民銀行がLPR引き下げ
(3):独生産者物価指数は過去最高の伸び
(4):米新規失業保険は予想に反して増加
(5):米株下落 クロス円の重し
20日(木)の為替相場
期間:20日(木)午前7時10分~21日(金)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):予想より良好な豪雇用統計を受けて豪ドル強含み
豪12月雇用統計は、失業率が4.2%と予想(4.5%)を下回り2008年8月以来の水準に低下。新規雇用者数は6.48万人増と予想(6.00万人増)を上回る伸びとなった。豪中銀(RBA)が比較的早い時期に利上げに動くとの市場の見方を補強する形となり豪ドルが強含んだ。
(2):中国人民銀行がLPR引き下げ
仲値公示後に実需の売りと見られる動きでドル/円が下落した。中国人民銀行が事実上の政策金利である最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)の引き下げを発表した事で同国の景気回復期待が高まり人民元が上昇。人民元高・ドル安がドル/円に波及した面もある。中国の動向に敏感な豪ドルも対ドルで上昇したため、ドル/円が下落しても豪ドル/円は底堅く推移した。
(3):独生産者物価指数は過去最高の伸び
独12月生産者物価指数は前年比+24.2%と市場予想(+19.3%)を上回り過去最高の伸びを記録。石油や天然ガスなどのエネルギー価格の高騰が響いた。その後、欧州中銀(ECB)のラガルド総裁は、エネルギ価格の上昇や供給制約といったインフレ要因が緩和される事で、ユーロ圏の物価は今後1年間で徐々に低下していくとの見解を示した。一方、日本時間21時30分に公表されたECB議事録(12月16日分)では、「金融引き締めに向けた門戸を開いておくべきだ」と、一部の当局者が主張していた事も明らかになった。
(4):米新規失業保険は予想に反して増加
米新規失業保険申請件数は28.6万件と予想(22.5万件)に反して前週(23.1万件)から増加。昨年10月以来、約3カ月ぶりの高水準となった。新型コロナ変異株「オミクロン」の感染が拡大した影響と見られる。
(5):米株下落 クロス円の重し
米長期金利の上昇一服を好感して値上がりしていた米国株が引けにかけて急反落。これを受けてクロス円に下落圧力がかかった。ドル/円は、株安によるリスク回避のドル買いと円買いが綱引きしたため114.10-20円台でもみ合った。
20日(木)の株・債券・商品市場
外為注文情報
【情報提供:外為どっとコム】
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本日の見通し
ドル/円の見通し:株価の動向に注意
昨日のドル/円は一時114円台を割り込むなど軟調に推移。米長期金利の低下が重しとなり、NY市場で113.96円前後まで下落した。売り一巡後は押し目買いなどで下げ渋ったものの、米国株が引けにかけて急反落したため戻りは鈍く、前日比約0.2%安の114.12円前後で取引を終えた。
米連邦公開市場委員会(FOMC)を翌週に控え、為替、株、債券の各市場は神経質な相場展開が続いている。特に株式市場はFOMCの一段のタカ派化に対する警戒感が強いようで、本日もグローバルな株価の下落に注意が必要となりそうだ。もっとも、株安によるリスク回避の動きは、安全資産とされる円とドルを押し上げるため、基本的にはドル/円相場にとって中立要因だろう。日足一目均衡表の雲上限などのサポートでドル/円の113円台後半の下値は堅いと見ている。
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