米雇用統計を控えて方向性定まらない中、ポンドは軟調に推移=ロンドン為替概況
米雇用統計を控えて方向性定まらない中、ポンドは軟調に推移=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、米雇用統計の発表を控えて方向性が定まらない動き。序盤は米債利回りの上昇とともにドル買いの動きが先行。しかし、欧州株や米株先物の上値が重くなるなかで、米債利回りが低下に転じると、ドル相場はドル安方向に押し戻されている。ドル円は113.49レベルまで買われたあと、113.20付近まで小反落。ユーロドルは1.1282レベルまで下押しされたあとは、1.1316レベルまで反発。ユーロ円は128円台乗せと小高く推移。一方で、ポンド円は150.70近辺まで買われたあとは、一時150.10台まで下落した。ポンドドルも1.33近辺が重く、一時1.3255レベルまで下落。ポンド売りが強まった背景には、サンダース英中銀委員の発言があった。「オミクロン変異株は12月会合での政策金利決定について考慮すべき重要なカギ」「オミクロン株に関するデータを待つことにある程度の利点あろう」と述べており、市場ではオミクロン株への不透明感が12月会合での利上げ決定を躊躇させる可能性があるとみたようだ。一方で、クノット・オランダ中銀総裁は「2022年にインフレが予想を上回る場合、2023年の利上げの可能性を排除せず」と述べた。ラガルドECB総裁は「2022年にECBが利上げに踏み切る可能性極めて低い」と慎重姿勢をみせつつも、「利上げの条件が整えば、躊躇なく行動する」と述べたことがユーロ買いにつながった面があったようだ。
ドル円は113円台前半での取引。米雇用統計の発表を控えて積極的な売買が手控えられるなかで、米債利回り動向に反応している。序盤に113.49レベルまで高値を伸ばしたあとは、米債利回りの低下とともに113.20台まで小反落した。113円台前半での限定的な値動きにとどまっている。
ユーロドルは1.13近辺での取引。序盤は売りが先行し、1.1282レベルまで下押しされた。その後は買い戻しが入り、高値を1.1316レベルまで伸ばした。足元では買いも一服。ユーロ円は127.90付近から128.20近辺まで買われたあと、売買が交錯。足元では再び底堅く推移している。対ポンドでのユーロ買いが下支えとなっている。
ポンドドルは1.32台後半での取引。東京市場で1.33付近が重くなるとロンドン市場では売りに押されている。サンダース英中銀委員が「オミクロン変異株は12月会合での政策金利決定について考慮すべき重要なカギ」「オミクロン株に関するデータを待つことにある程度の利点あろう」と述べたことが売りを誘い、一時1.3255レベルまで安値を広げた。ポンド円は序盤に150.70近辺まで買われた後は売りに押され、150.15近辺まで安値を広げた。ユーロポンドは0.85付近での揉み合いから上放れて、高値を0.8535近辺に伸ばした。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。