ポンドは英中銀の早期利上げ期待を背景に力強い動き=NY為替
ポンドドルはリバウンドの流れが加速しており、きょうは1.3775ドル近辺まで一時上昇した。北アイルランド議定書を巡ってEUとの交渉が再開しているが、想定通りに協議は難航しているようだ。英国側の交渉責任者であるフロスト英首席交渉官は「双方に大きな隔たりがある」と語っていた。
ただ、ポンドは英中銀の早期利上げ期待を背景に力強い動きを続けており、ポンドドルは21日線を上放れる動きが続いている。インフレ期待を反映する英10年債のブレークイーブン・レートは4.02%と、13年ぶりの高水準に達している。先月発表された8月の英消費者物価指数(CPI)は前年比3.2%と、上げ幅は過去30年余りで最大だった。インフレ懸念を背景に短期金融市場では英中銀の年内利上げを織り込みつつあり、ポンドの翌日物スワップは12月の利上げ開始を織り込んでいる状況。
ただ、早期利上げに関して英政策委員の中では意見も分かれている節もあり、最強硬派のソーンダース委員は市場が想定以上に早期利上げを織り込んだのは適切との考えを示唆していた一方、テンレイロ委員はエネルギーと半導体の価格上昇に対応するために利上げを行うのは、インフレ上昇が短命な場合、自滅するだろうと語っていた。いずれにしろ、主要国の中銀の中では英中銀が最も利上げが早いと見られている。
GBP/USD 1.3756 GBP/JPY 157.20 EUR/GBP 0.8431
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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