ECBの戦略見直しはタカ派とハト派の間を取り持った妥協に見える=NY為替
ユーロドルはロンドン時間にやや戻り売りが優勢となり、1.1840ドル近辺に伸び悩んだものの、NY時間に入ってやや買い戻されている。下げは一服しているものの、上値には依然として慎重な雰囲気が強い。本日の21日線が1.1910ドル付近に来ており、目先の上値メドとして意識される。
ECBは先日発表した戦略見直しで、インフレ目標に上下に幅を持たせるシメントリックな2%の中期インフレ目標に変更した。ただ、この戦略変更はタカ派とハト派の間を取り持った妥協に見える。ECBの政策は短期から中期的に緩和的過ぎるくらい緩和的になることを示唆しているが、いずれ緩和策を巻き戻すうえでの柔軟性という点では曖昧だという。
ECBは、FRBのように柔軟な平均インフレ目標というメイクアップ戦略を正式に採用するには至らなかった。これは、短期から中期的には、FRBはECBよりも、基本的に幾分ハト派的であり続ける可能性を含むという。
※メイクアップ戦略
インフレ率が誘導目標を超えた後も、誘導目標を下回っていた分だけ目標を超過し続けることを容認する戦略。
EUR/USD 1.1862 EUR/JPY 130.89 EUR/GBP 0.8543
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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