【これからの見通し】日経平均が一時3万円、為替相場は素直に反応するのか
【これからの見通し】日経平均が一時3万円、為替相場は素直に反応するのか
新型コロナ相場が続く中で、株式市場は初動の急落のあとは驚異的な回復力を示している。米株は今年に入ってからも主要3指数が最高値を更新し続けている。今日の前場では日経平均が30年6カ月ぶりの3万円台をつけている。昨年の日本のGDP成長が前年比4.8%減と、2009年以来のマイナス成長となったこととは対照的な事象だ。
もちろん、株高は経済回復のための各中央銀行のなりふり構わない流動性供給の賜物だ。ファンダメンタルズ的には超緩和策がインフレを招来していない点がポイントとなっている。このような中で、為替市場ではそれほどリスク選好の流れが強まっていない。主要国間の金利格差が縮小したままであることが、為替市場のボラティリティーの低さの根源のように思える。
今後、インフレの前段階としての「インフレ期待」の各国の差異が注目されそうだ。債券市場の変化にマーケットは敏感になってきているようだ。市場のファンダメンタルズ回帰の一面が垣間見える。
ただ、伝統的なリスク選好の円売り・ドル売りの圧力も局面ごとには前面に現れる。この辺りの動きが交錯することが、為替相場の流れを見えづらくしているようだ。足元で、市場は何のテーマに反応しているのか。常に、謙虚に、自問自答だ。相場道の基本に立ち返ることを忘れずに。
きょうは米国市場がプレジデントデーの祝日のため休場となる。カナダは家族の日、ブラジルはカーニバルなどで株式市場が休場。ロンドン午前を過ぎたあたりからは市場の流動性が細る状況が想定されよう。
この後の海外市場で発表される経済指標は、インド卸売物価指数(1月)、ユーロ圏鉱工業生産指数(12月)、ユーロ圏貿易収支(12月)、カナダ製造業売上高(12月)など。金融当局者の講演やイベント参加予定は特にない。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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