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中東情勢の緊迫化で有事のドル高 ただ、ドル反発は検証の余地=NY為替概況

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中東情勢の緊迫化で有事のドル高 ただ、ドル反発は検証の余地=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、後半には一服していたものの、この日はリスク回避のドル高が優勢となった。ドル円は東京時間に142円台に下落していたが、144円台まで買い戻される展開。イスラエルがイランを空爆したことで、中東情勢の緊張が一気に高まった。一旦はリスク回避の円高から、ドル円は東京時間に142円台に下落していたが、為替市場は次第に有事のドル高の反応が強まっている状況。ここ数日、リスク回避はドル安の反応に変化していた。

 原油相場が一時78ドル台まで一気に急騰していたが、これはドルにとってプラスとの指摘も出ている。特にユーロや円に対しての優位性が高まるという。

 ただ、本日のドル反発がリスク回避の需要か、直近の下落後の機械的な買い戻しかは、検証の余地があるとの指摘も出ている。イスラエルがイランを空爆したことは、米国の地政学的なリーダーシップの低下も同時に表しており、それは、従来のマクロ要因以上に、市場に影響を与え始めている可能性もあるという。AUKUS(米英豪安全保障枠組み)見直しの報道も伝わっているが、米国の国際的な信頼の後退は市場にとっても重大な意味を持つと指摘している。

 ユーロドルは一旦1.15ドルを割り込んだものの、NY時間に入って買い戻しが見られ、1.15ドル台を維持した。高値圏での推移は温存。エコノミストからは、原油急騰がECBの対応を困難にするとの指摘が示されている。ユーロ圏の最近のインフレ鈍化がリスクにさらされる可能性があるという。

 中東情勢のさらなるエスカレーションは、ユーロ圏の成長にも悪影響を及ぼし、スタグフレーション的な見通しを強める可能性があるとも指摘している。ECBのシナリオによると、エネルギー価格が20%急騰した場合、インフレはベースケース比で0.6%ポイント上昇するという。

 エコノミストは現時点で、この極端なシナリオには至っていないが、ECBの対応を困難にしていると指摘。エネルギー価格の変動性が高まる中、ECBは基礎的なインフレ動向をさらに注視するだろうと付け加えた。

 ポンドドルは一時1.35ドル台前半まで下落する場面が見られたが、NY時間に入るとその動きも一服し、1.36ドル手前まで戻す展開となった。本日1.3495ドル付近に来ている21日線の上をしっかりと維持し、底堅さは堅持している。

 来週は英中銀の金融政策委員会(MPC)が予定されており、今回は据え置きが確実視されている状況。注目は英中銀が年内の利下げ観測に対して、どのようなスタンスを示すかだが、仮に利下げへの慎重姿勢を維持したとしても、ポンドは対ユーロでは下落の可能性があるとの指摘も出ている。

 英中銀は将来の利下げについて段階的なアプローチを改めて示す可能性が高いと見ているが、ポンドは限定的な反応に留まり、ポンドに対して引き続き弱気な見方をしているという。不透明感の高まりとドル安環境との正の相関は、対ユーロでのポンド安を示唆しており、英成長見通しの軟化の兆候もポンドの重しになっていると指摘。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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