ドル円は104円手前まで上昇 ドルショートの巻き返し=NY為替概況
きょうのNY為替市場はドル買い戻しが優勢となる中で、ドル円も買い戻しが強まり、104円手前まで上昇した。ドル買い戻しについては様々見方が出ているようだが、昨年3月をピークに一貫してドル安トレンドが続き、ピークからのドルの下落率は13%に達している。その過程でだいぶショート・ポジションが積み上がりがみられ、前日のジョージア州での決選投票や、暴徒の乱入で大混乱となった米上下両院合同会議の選挙人投票の集計が完了し、バイデン氏が次期大統領に正式に決まったことをきっかけに、ショートカバーが強まったのかもしれない。
きょうのところドル円は、104円台には慎重な動きを見せたものの、104.10/20円にストップオーダーが多数観測されており、明日以降、試に行くか注目される。一方、104.50円付近での戻り待ちの売りオーダーも多いようだ。
ユーロドルは利益確定売りが優勢となり、一時1.22ドル台半ばまで下落。本日の21日線が1.2215ドル付近に来ているが、その水準が目先の下値メドとして意識される。
一部からは今回のドル買いは持続せず、ユーロドルの下値は買いの好機との指摘も出ている。米国とドイツの実質金利差を考慮すると、現段階でユーロドルの下値を積極的に試すのは無理があると指摘した。米政治は民主党が主導権を握り、積極財政が期待されている。それに伴う成長やインフレ期待の上昇がユーロドルのポジション調整を引き起こす可能性はあものの、それ以上のことは何もなく、米実質金利がより魅力的になるまでは、市場センチメントが決定的にドルに傾く可能性は低いという。
ポンドドルも利益確定売りが強まり、一時1.3535ドル近辺まで下落した。本日の21日線が1.3505ドル付近に来ており、その水準が目先の下値メドとして意識される。
一部からはイングランド全域で再導入されている都市封鎖により、第1四半期の英GDPは1.5%のマイナス成長が見込まれ、再び景気後退に陥るとの見通しを示した。ただ、昨年4月に比べれば、影響は相当軽いものになるとの見方も示している。工場が稼働し続けているほか、規制による経済活動への影響は以前よりは低下しているためだという。一方、学校が閉鎖されることから11月の外出制限と比べれば、幾分大きな打撃になるとしている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。