ドル円は103円台に下落 米対策やワクチンへの期待でリスク選好のドル安続く=NY為替前半
きょうのNY為替市場はリスク選好のドル安が強まっており、ドル円は103円台に下落。米国では足元の感染拡大が続いているが、市場は来年の景気回復への期待を高めているようだ。ワクチンや米追加経済対策への期待が引き続き市場のモメンタムをサポートしている模様。
ドル円は週初に再び買いが強まり104円台に戻していた。104.40円付近に来ている21日線も維持され、105円台を目指すかにも思われたが、やはりリスク選好のドル安が上値を抑えている。きょうは短期のロング勢も上値の重さに耐えかね、見切り売りを出しているようだ。再び21日線を下放れし、失速した格好となっている。
米追加経済対策やワクチンへの期待が米国でのインフレ期待を押し上げるとの見方もあるが、当面は利上げにつながる公算は小さく、FRBのゼロ金利は当面維持されると見られている。それがドル安の大きな背景となっているとの指摘も聞かれる。
ドル円は103.70円で一旦サポートされているが、いまのところ戻りは鈍く、その水準をブレイクすれば、次は103円台前半がターゲットに入り、102円台までの下げも警戒される。
きょうもユーロドルは買いが加速しており、一時1.2175ドル付近まで上昇する場面が見られた。ECBは来週10日に理事会を開催する。パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の拡大など追加緩和が確実視されている中、最近のユーロ高へのけん制を示す可能性も指摘されている。
しかし、現実的にECBにできることは少ないとの見方も聞かれる。ECBはインフレ目標達成に難航しており、適切なコミュニケーションを獲得することができない限り、持続的にユーロに影響を与えることはできないという。ECBがコミュニケーションの問題を解決し、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)終了後に量的緩和をどのように継続するかを明確にできれば、ユーロに対して効果的になるかもしれないという。現在のリスク選好の勢いは継続し、ユーロドルはしばらく、1.20ドルから1.25ドルの範囲内で推移すると見られているようだ。
ポンドドルも再び買いが強まっており、一時1.35ドルちょうどに上昇する場面も見られた。英・EU貿易交渉への警戒感が強まり、前日のポンドは売りが強まっていたが、合意への期待感は依然として強いようだ。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。