「米雇用統計はドル売り材料にならない見込み」 外為トゥデイ 2020年5月7日号
目次
▼6日(水)の為替相場
(1):豪小売売上高 コロナ前で材料視されず
(2):英建設業PMI 統計開始以来最低に
(3):ユーロ圏小売・経済見通し過去最悪
(4):米ADP雇用者数 過去最大の落ち込み
(5):米財務省 国債発行額を過去最高に引き上げ
6日(水)の為替相場
期間:6日(水)午前6時10分~7日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪小売売上高 コロナ前で材料視されず
豪3月小売売上高は前月比+8.5%と予想(+8.0%)を上回った。ただ、新型コロナウイルスの影響が深刻化する前のデータとして材料視されなかった。
(2):英建設業PMI 統計開始以来最低に
英4月建設業PMIは8.2と予想(21.7)を大きく下回り、統計開始以来で最低を記録した。
(3):ユーロ圏小売・経済見通し過去最悪
ユーロ圏3月小売売上高は前月比-11.2%と予想(-10.6%)を下回り、過去最悪の減少を記録。なお、これ以前にユーロ圏4月サービス業PMI・改定値は12.0と速報値(11.7)から僅かに上方修正された。また、欧州委員会は2020年のユーロ圏の経済成長率が-7.7%と過去最大の落ち込みになるとの見通しを示した。
(4):米ADP雇用者数 過去最大の落ち込み
米4月ADP全国雇用者数は2023.6万人減と急激かつ大幅な減少となり過去最大の落ち込みを記録した。市場予想は2055.0万人減だった。
(5):米財務省 国債発行額を過去最高に引き上げ
米財務省は、翌週の四半期定例入札で発行する国債の規模を過去最高の960億ドルに引き上げた。前日には4-6月期の借り入れが前年同期比で75倍の2兆9990億ドルになるとの見通しを示していた。これを受けて長めの米長期金利が上昇したが、ドルは目立った反応を示さなかった。
6日(水)の株・債券・商品市場&外為注文情報
ドル/円の見通し:
105円台売り込む動きは限定的
昨日のドル/円は終値ベースで約0.4%下落。新型コロナウイルスを巡る米中対立への懸念からリスク回避の円買いが優勢となり、一時106円台を割り込んだ。もっとも、ドルも安全通貨として円以外の通貨に対して強含んだためドル/円の下落ピッチは緩やかだった。なお、米4月ADP全国雇用者数は2023.6万人の減少と過去最大の落ち込みを記録したが、ドル/円相場に直接的な反応は見られなかった。
明日の米4月雇用統計でも非農業部門雇用者数の大幅な減少が見込まれるが、ドル売り材料になる公算は小さいだろう。ドル/円の105円台を売り込む動きは限られると見る。本日は、連休明けの本邦勢からの押し目買いが期待される事などからドル/円の下値は堅そうだ。
本日の注目イベント
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