【来週の注目材料】9月のFOMCに向けて米景気動向をチェック
ジャクソンホールも終わり、来週はややイベント感に欠ける週になりそう。
もっとも、9月のFOMCやECBで追加緩和期待が広がる中、米国や欧州の重要指標には注目が集まりそうです。
今回はまず米国の指標を確認してみましょう。
26日には7月の米耐久財受注速報値が発表されます。
GDPの設備投資と関係が深い同指標。4月、5月前月比マイナスとなった同指標は、前回6月に+1.9%と持ち直しました。今回は+1.0%とやや鈍化もプラス圏を維持する見込みです。米国の第2四半期GDPは予想ほどの鈍化を見せず、前期比年率+2.1%と底堅かった印象ですが、設備投資に関しては2016年第1四半期以来、初めてのマイナス圏となる-0.6%と厳しい数字を記録しました。
第3四半期以降の持ち直しには設備投資の回復が望まれるだけに、底堅い数字が出てくるのかどうかが注目されるところです。
29日には米第2四半期GDPの改定値が発表されます。
速報値は個人消費が前期比年率+4.3%とかなり強めに出たことで、設備投資や輸出の落ち込みをカバーして、予想された前期比年率+1.8%よりは強めの数字となる+2.1%を記録。もっとも第1四半期の+3.1%よりは鈍化しており、トランプ大統領が経済成長の目標として挙げている3.0%にも遠い数字だけにトランプ政権からFRBへの利下げ圧力につながる格好となりました。
今回は+2.0%と若干の鈍化見込み。
6月の卸売在庫が確報値ベースで下方修正、同企業在庫が5月から鈍化するなど、速報値発表以降の在庫関連の指標が弱めに出ており、在庫投資などが少し厳しい数字になりそうです。予想程度の鈍化であれば織り込み済みとみられますが、2%を割り込む数字が出てくるようだと、
FOMCでの0.50%の大幅利下げ期待が広がる形でドル売りが強まる可能性があります。
30日には7月のPCEデフレータが発表されます。
13日に発表された7月の米消費者物価指数(CPI)は、総合、コアの前年比が共に予想及び前回を上回る好結果となり、コアCPIは+2.2%の高水準となりました。もっとも米国のインフレターゲットの対象であり、金融政策動向への影響も大きいとみられる今回のPCEデフレータは、総合で前年比+1.4%、コアで同1.6%と、共に前回と同様の水準にとどまると見込まれています。
ターゲットの2%にも遠く、利下げのハードルにはならないとみられます。比較的堅調な動きを見せる住居費の占める割合がCPIの約半分ということもあり、その点では前回並みという予想に違和感はありませんが、CPIの内訳をみると、被服、医療、中古車など幅広い分野で上昇が見られることからPCEも予想を超えての上昇を期待したいところ。予想を超えてきた場合、今後の追加利下げ期待を後退させる形でドル売りが広がりそうです。
minkabu PRESS編集部 山岡和雅
執筆者 : MINKABU PRESS
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