【これからの見通し】昨日のドル買いが継続するのかどうか見極め、債券動向を注視
【これからの見通し】昨日のドル買いが継続するのかどうか見極め、債券動向を注視
昨日はドル買いの動きが広がった。英国をはじめとする各主要国の長期債利回りが上昇、債券売りがその国の財政状況への不透明感を示すものとしてポンド売りや円売りを軸に相対的にドルが買われる構図だった。日本にとっては石破おろしの動きが広がっていることも政局への不透明感を高めている。
東京市場で、ドル円は149円に迫る動きをみせた。しかし、149円台には届かず148円台半ばへと押し戻されている。植田日銀総裁と石破首相の会談で為替相場の話題が出たことに市場は敏感に円買い反応をみせていた。149円、150円と円安が進行すれば再び政府・日銀による口先介入や実際の円買い介入に対する思惑が出やすくなる面も指摘される。クロス円は、各通貨の対ドルでの値動きの差異に翻弄される面があり、やや取引しにくい局面にあるようだ。
この後の海外市場では、再び英国債などが売られ・利回りが上昇するのかどうかを確認したい。英国債にとっては秋季予算案を視野に、その財政持続性が不安視されている。しばらくは英国債売りが継続する可能性もあり、注意しておきたい。ただ、金曜日の米雇用統計に市場の関心が集まるなかで、イベントを控えた短期筋のポジション調整が入る可能性も否定できないだろう。
この後発表される経済指標は、フランス・ドイツ・ユーロ圏・英国・米国などの非製造業PMI確報値(8月)、ユーロ圏生産者物価指数(PPI)(7月)、米MBA住宅ローン申請指数(08/23 - 08/29)、米JOLTS求人件数(7月)、米製造業新規受注(7月)、米耐久財受注(確報値)(7月)、カナダ労働生産性(2025年 第2四半期)などが予定されている。金曜日の米雇用統計を控えて、雇用関連指標の求人件数が注目されよう。市場予想は738.2万件と前回の743.7万件からの減少が見込まれている。
発言イベント関連では、ラガルドECB総裁、ブロック豪中銀総裁、ブリーデン英中銀副総裁、ムサレム・セントルイス連銀総裁などのイベント出席や講演が予定されている。英中銀関連ではベイリー英中銀総裁、ロンバルデッリ副総裁、テイラー委員、グリーン委員などが財政委員会に出席する。NY午後には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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