【来週の注目材料】FOMCはドットプロットに注目=米連邦公開市場委員会(FOMC)
【来週の注目材料】FOMCはドットプロットに注目=米連邦公開市場委員会(FOMC)
日銀に続いて今回は米FOMCです。政策金利は据え置きの見込み。注目は年4回公表されるFOMCメンバーによる経済見通し(SEP)です。中でも年末時点での政策金利見通しをドットで示したドットプロットが注目されます。
前回3月のSEPでのドットプロットでは2025年末時点で9名が3.75-4.00%を見込み、中央値となっていました、3.50-3.75%が2名、4.00-4.25%と4.25-4.50%が2名ずつとなっています。現状が4.25-4.50%ですので、年内2回の利下げを見込む形となっています。短期金利先物市場動向からの利下げ確率を示すCMEFedWatchの直近の状況を確認すると年末時点で3.75-4.00%が39.5%で中央値、それよりも少ない見通しが23.2%、2回よりも多い利下げ見通しが37.3%となっています。2回をコンセンサスとして、3回の可能性も無視できないといったところです。短期金利市場動向で見ても2回が見通しの中心。3回が13.6%となっており、2回の見通しがより強くなっています。
今回のSEPを受けてこうした見通しがどこまで変化するかがポイントとなります。ドットプロットは前回同様に2回が中央値となると見込まれています。注目は2回以外の意見のばらけ方。3回以上の利下げ見通しが前回より増えているようだと、ドル売りが強まる可能性がありそうです。前回のSEPで1.7%まで下方修正されたGDP成長率見通し、総合2.7%、コア2.8%と共に上方修正されたPCE価格指数の状況なども要注意です。
パウエル議長の会見では今後の利下げに向けた姿勢をどこまで強めるかがポイントとなります。5月の米消費者物価指数(CPI)が予想を下回る伸びとなったことを受けて、トランプ大統領などからの利下げ圧力が強まっています。中央銀行の独立性の立場からも政治介入に屈しない姿勢を見せる可能性が高い一方、おそらく9月と見られる追加利下げに向けての地ならしも必要と、議長は厳しい立場に立っています。会見での発言次第で上下に相場が振れる可能性がありそうです。
MINKABUPRESS 山岡

執筆者 : MINKABU PRESS
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