ドル買い戻しでドル円も146円台後半に戻す 米国がドル安を模索せずとの報道も=NY為替概況
ドル買い戻しでドル円も146円台後半に戻す 米国がドル安を模索せずとの報道も=NY為替概況
きょうの為替市場、NY時間に入ってドルが買い戻されており、ドル円も下げ渋る展開が見られた。米国が貿易合意の一部としてドル安を模索していないと伝わったこともドルの買い戻しを後押ししたようだ。
ただ、ロンドン時間にはドルの戻り売りが優勢となり、ドル円は一時145円台まで急落していた。根強いドルへの不信感があるようで、米中貿易協議の進展を受けた週初のドルの反発は一時的なものに過ぎないとの見方も根強い。
ファンドや機関投資家など長期投資家はドルのエクスポージャー縮小の機会をうかがっており、ドルの弱気相場はまだ始まったばかりだという。ただ、ドルは積極的に買い進みにくいとはいえ、米利下げ観測が後退している中で、大きく崩れる展開までは想定していないようだ。
ユーロドルは一時1.1265ドル近辺まで買い戻されたものの、NY時間に入って1.11ドル台に下落。ユーロドルは21日線の下での推移が続いており、戻り相場の流れは継続している状況。
ユーロはドル離れの恩恵を受ける可能性があるが、課題も多いとの指摘がエコノミストから出ていた。ユーロ建て資産の魅力を高める必要があり、それには更なる取り組みが必要だという。
各国中銀の外貨準備におけるユーロに対する需要が2000年代初頭の水準に戻れば、ユーロ建ての外貨準備は最大で約4500億ユーロ増加する可能性があるという。現在のドル離れは、主要なアジアの投資家がドル資産から退出する中、米国債の発行が主に米国内で吸収されていることで促進されている。欧州がこれらの資金を引き付けるためには、米国債と競合できる高品質で流動性の高い資産プールを提供する必要があると指摘していた。
ポンドドルは1.32ドル台半ばまで下落。本日1.33ドルちょうど付近に来ている21日線に上値を抑えられており、上値は重いようだ。
来週に英・EU首脳会談が予定されているが、それを控えてポンドは対ユーロで上昇する可能性があるとアナリストから指摘されている。双方は19日月曜日に首脳会談を開催し、これが双方のより緊密な関係に繋がることを市場は期待しているという。
また、英中銀の利下げに対する慎重姿勢もポンドを支える要因とも指摘。前日の英雇用統計では賃金上昇の鈍化が示されたものの、英中銀がより速いペースの利下げに傾くには依然として高過ぎるとも指摘していた。なお、明日は第1四半期と3月の英GDP速報値が発表される予定。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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