ドル売りが優勢、ドル円には円高の面も 一時142円台前半=ロンドン為替概況
ドル売りが優勢、ドル円には円高の面も 一時142円台前半=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、ドル売りが優勢になっている。G20中央銀行・財務相会合が開催されるなかで、あす未明には日米財務相会談が行なわれる見込みとなっている。ベッセント米財務長官からは、日本に通貨目標求めずとの発言があり、市場が安堵する面があった。しかし、トランプ米大統領はあくまでも米国の赤字解消を主眼としている。中国や日本の通貨安を問題視する発言を再三再四してきた経緯がある。市場は警戒感を解ききれない面があるようだ。ドル円は東京朝方の143円台前半からロンドン市場では142円台前半まで下落。下げ幅は1円を超えている。ロンドン時間にはドル安の面が強く、ユーロドルは1.14手前水準へ、ポンドドルは1.33台乗せへと上昇。クロス円も下げ渋りの動きとみせているが、ユーロ円は162円台前半、ポンド円は189円台半ばなど前日NY終値よりは円高水準で推移している。独連銀月報では独GDPが第2四半期に後退する可能性があると指摘。4月独Ifo景況感指数は予想外の改善を示した。独財政政策への期待が米関税への不透明感を上回ったようだ。ただ、米関税を控えた駆け込み需要の面も指摘される。期待指数は予想を上回ったものの前回からは低下していた。
ドル円は142円台前半での取引。東京朝方の143.46近辺を高値に一貫して売られ続けている。ロンドン市場では142.31近辺まで安値を広げ、下げ幅は1円を超えている。欧州株や米株先物・時間外取引がマイナス圏で推移、米債利回りも低下している。そして、なによりもこの後に開催される日米財務相会談の行方が注目されている。
ユーロドルは1.13台後半での取引。東京朝方の1.1316近辺を安値に買われている。ロンドン時間に入ると1.1350を上抜けて、1.1395近辺まで高値を伸ばした。ユーロ円は東京市場から下に往って来い。162.40付近を高値に、東京午後には161.85近辺まで下落。ロンドン時間に入ると買戻しが入り、再び162.30台まで上昇する場面があった。対ポンドではユーロ買いが優勢。独Ifo景況感指数は予想外の改善を示したが、期待指数は低下した。独Ifo所長は、「企業は現状をより肯定的にとらえている」「しかし、企業の間で不確実性が高まっている」と分析した。
ポンンドドルは1.33台前半での取引。東京朝方の1.3253近辺を安値に、ロンドン市場では高値を1.3321近辺に伸ばしている。ポンド円は東京市場で190.17近辺から189円台後半へと軟化。ロンドン朝方に189.30付近まで下押しされた。その後は下げ一服も189円台後半までの戻りにとどまっている。ユーロポンドは買いが優勢。0.8535付近を安値に、ロンドン序盤には0.8566近辺まで高値を伸ばした。英CBI製造業受注指数は予想外に改善したが、目立ったポンド買い反応はみられなかった。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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